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海外赴任の帯同子女教育
家族帯同で海外赴任する場合、当該社員にとって子どもの教育は重要な課題です。ここでは海外赴任の帯同子女教育について解説していきます。
海外で日本人子女が就学する学校形態
家族帯同で海外赴任する場合、当該社員にとって子どもの教育は重要な課題です。
もしトラブルが発生した場合、現地業務にも影響を及ぼしかねませんので、人事、総務担当者も海外の日本人子女が通学する学校形態や就学状況など、教育に関する基本的な現状を認識しておく必要があります。
海外の帯同子女が就学する学校形態(大学を省く)は、主に次のタイプに分けられます。
・現地日本人学校
日本国内の小・中学校と同等の教育を確保する目的で設立されている文部科学大臣認定の全日制の学校で、現在、世界各国にあります。
海外子女の就学状況は、近年、長期在留者が増加しているアジア、中南米、中近東では大半の子女が日本人学校に通っています。
一方、北米、アフリカ、欧州、大洋州では現地校や国際学校に通うケースが多く、その大半が補習授業校にも通い、日本に関する学習をしています。
・補習授業校
主として現地校などで学習しながら、日本の学校で学習する国語を中心に土曜日や平日の放課後を利用して学習するための施設で、世界中におよそ200校あります。
ここでは長期にわたる滞在で教育を海外で完結してしまう生徒に対して、日本に関して知っておくべき知識などを教育する役割も担っています。
・私立在外教育施設
日本国内の学校法人などが海外に設置した文部科学大臣認定の全日制の学校。
世界で10校弱と地域と数は限定されていますが、私立在外教育施設はバイリンガルな教育と、帰国後の大学入試にも対応した教育システムを行っています。
なかには日本の大学へ推薦入学が可能な学校もあります。
・現地校や国際学校など
インターナショナルスクールおよび通称 アメリカンスクールなどと呼ばれる外国人学校で、使用言語はその国の国語となります。
日本社会のグローバル化に伴い、バイリンガルな子どもを育てたいと願う親が増えているのも、現地校や国際学校への移行が進む要因になっています。
しかし、反面で学校に適応できない児童・生徒も増えており、特に高校は日本人学校がないため現地校や国際学校へ進学しなければならず。言葉の障害や難しくなる授業内容などが原因で不登校になるケースも少なくありません。
現地校や国際学校を選ぶ際は、児童・生徒の精神的負担などを考慮することが望まれています。
アメリカなどでは日本人学校のない地域も多く、そうした地域では通信教育などでカバーしているのが現状です。
日本人学校は日本の学習指導要領が義務づけられているため、帰国後の適応や受験対応も考慮した教育が行われていますが、現地教育や国際的な広がりのある教育に欠けている、などの指摘もあります。
現地校や国際学校の問題点は、日本の国語や社会の科目がなく、算数(数学)の進度にかなりの違いがあります。
※学習塾
近年は学習塾の海外進出も多く、入学願書の取り寄せや願書提出、国立校の抽選・合否の確認、入学手続きのサービスなどを日本のスタッフが代行する塾もあります。
入試問題の分析や教材も日本と同じで、マンスリーテストも日本の塾生と同時に行うので、自分の実力や志望校の合否判定など確実なデータが得られます。
現在では、教務力の充実した塾が進出、一流校への入学実績で日本の塾を上回るところも現れ、評判となっています。
義務教育年齢の子女数
海外に長期滞在する日本人(永住者を除く)に帯同する義務教育年齢の子女数は、外務省の調べ(2013年4月15日)によると7万1628人に達しており、3年前の2010年より4310人増加しています。
これを就学する学校形態でみると、日本人学校に在籍しているのは2万878人で、全体の29%を占めています。
補習授業校に通学しているのが1万7999人で25%。一方、現地校や国際学校、私立在外教育施設などの在籍者は合わせて3万2751人で約46%となっています。
公益財団法人 海外子女教育振興財団
1971年(昭和46)に外務省および文部省(現文部科学省)の許可を受け、設立された公益法人。
海外の日本人学校、補習授業校に対する財政的・教育的援助をはじめ、海外・帰国子女教育のために必要な各種教育事業、教育環境整備事業などを行っています。
・教育相談と教育情報提供
渡航前、滞在中、帰国後の学校教育や学校生活に関すること、家庭教育、言葉の問題などについて、専門の相談員が相談に応じています。
相談は予約制。ホームページからの相談も可能。また、海外・国内の学校情報についての電話やE-mail等による問い合わせに応じています。
・日本の教科書の配付
海外で使用する日本の教科書を、新たに出国する児童・生徒に配付しています。
・海外で使用する教科書(東京・大阪)
海外へ同行する小・中学生の子女は日本国内と同様に教科書を受け取ることができますが、当財団では文科省の依頼を受け出国する子女に教科書を配布しています。
赴任地に到着した当初に使用する教科書は現地では用意されていないので、出国前に受け取る必要があります。
・帰国生のための学校説明会・相談会
帰国後の進学の情報収集のために、小学生から高校生段階の子どもたちとその保護者を対象に、国内(東京・大阪・名古屋)と海外各地で毎年開催しています。
・渡航前配偶者講座
駐在員配偶者を対象に、渡航前の不安を解消し、より充実した海外生活を送るための研修を実施しています。
実生活に役立つ英会話・中国語コースも併設されています。
・現地校入学のための親子教室
北米の現地校やインターナショナルスクールに入学する小学生から高校生段階のお子さんと保護者のために、学校生活に必要な実践的な研修を行っています。
・渡航前子ども英語教室
現地校など、英語で教育を行っている学校に入学する小学生を対象にした、英語の事前研修を行っています。
・通信教育 小・中コース(文部科学省補助)
海外で学ぶ小・中学生対象の通信教育。
文部科学省の補助を得て、国語・算数(数学)はブック教育で、小3~中学の理科・社会はインターネット教材で学習するシステム。
国語・算数(数学)のブック教材では、学習テキスト、解答・解説、添削問題、朗読CD、漢字ドリル、用語集などが送付され、専用のホームページでは進度に応じた発展問題の取り出しなどができます。
理科・社会のインターネット教材は、自宅PCからログインID・パスワードでアクセスし、ナレーターの音声と画像による「授業」や「問題」に取り組めます。
・通信教育 幼児コース
厳選された絵本と付録教材が定期的に海外へ届けられます。
・通信教育 小論文コース
高校生を対象とした小論文を書く基本を身につけるコースで、添削された課題の再提出が可能。
・外国語保持教室
海外で身につけた語学力や文化的・社会的な思考力を保持させるための教室。
首都圏に5カ所、中部地区に2カ所、関西地区に2カ所あり、2013年度からはインターネットを使ったwebサテライト授業を開設。合せて約1,400名の小~高校生が学んでいます。
またサマースクール(夏休みを利用した集中授業)も毎年開催しています。
2013年度から、オーストラリアの現地校に入るプログラムも開始。英語以外にフランス語教室もあります。
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