帰国時に必要な手続き・届出

日本入国時・通関の注意点

引越し荷物も輸入貨物。
入国に際し、荷物の詳細はきちんと税関で確認され輸入通関となります。
別送品申告書や領収書の準備など、自分自身で行う手続きもあります。
業者ときちんと打ち合わせをして手続き内容を理解しておきましょう。

申告は自分でする必要があるのか?引越し業者が代行してくれるのか?

申告は自分でする必要があるのか?引越し業者が代行してくれるのか?

赴任地から日本へ送った引越し荷物は、日本入国時に税関検査を受けます。
課税対象品の確認、輸入禁止品・制限品の有無を調べるなどの検査が行われます。
通常、これらの通関手続きは引越し業者が代行しています。
通関必要書類や荷物到着時の連絡のタイミングなど、十分に打ち合わせをしておきましょう。

●赴任者自身が注意すべきことの例

とは言え、自分の引越し荷物です。
荷物の全体を把握し、必要手続きを進めておくなど、自分自身ですべきことを確認をしておきましょう。

赴任者自身が注意すべきことの例

  1. 輸入禁止品の有無を確認する。
  2. 輸入規制品を持ち込む場合、必要な手続きが済んでいるか確認する。
  3. 新品の領収書、パッキングリストなど、必要書類の準備・内容を確認する。
  4. 帰国時の別送品申告手続きについて確認する。
    など

通関時に必要となるもの

引越し荷物の通関には以下のような書類が必要です。
帰国後、運送業者から荷物の到着通知が届いたら、必要書類をそろえて速やかに郵送し、通関の手続を進めてもらいましょう。
引越し業者によっては、帰国空港での書類受け取りサービスを実施しているところもあります。
帰国後にすぐに必要書類のやりとりができるので便利です。

●パスポート

本人分の他に帯同家族の分も必要なケースがあります。
海外でパスポートの再交付を受けた人は、旧パスポートも必要です。

●携帯品・別送品申告書

引越し荷物を「別送品」として申告するための書類です。
帰国入国時に税関に提出・手続きして取得します。

●輸出国の動物・植物検疫証明書

植物など、家畜伝染病予防法・植物検疫法の対象荷物を輸入する場合に必要な書類です。
持ち込み荷物が該当するかどうかは、事前に植物防疫所のWEBサイトなどで確認し、必要書類を入手しておきましょう。

【関連記事】海外からのペット・植物の持ち込み時に気をつけるポイント

●領収書

海外で購入した新品を引越し荷物として持ち込む場合には、免税範囲内においては免税。
それ以外は課税対象です。
酒類、タバコなどは一定の数量で免税枠が定められていますが、それ以外の品物は合計額20万円までが免税とされています。
そのため、購入金額を確認される場合があります。
用意出来次第、引越し業者に渡しておきましょう。

●その他

トランクやスーツケースなどをロックしている場合は、その鍵を渡します。

「携帯品・別送品 申告書」の記入

引越し荷物は「別送品」として税関に申告し、その上で、携帯手荷物で利用した残りの免税枠を引越し荷物に適用することができます。
この申告は帰国時の空港の税関で行います。
無事帰国してうっかりしていると忘れてしまいますので注意しましょう。

別送品申告書は、到着前の機内にて配布されます。
機内で2部作成し、入国審査後の税関検査で提出します。
以下の記入例を参考にしましょう。

携帯品・別送品申告書の記入例


日本の空港に到着したら何をする?

無事に荷物を受け取るため、帰国時も気を抜かないよう、必要な手続きを覚えておきましょう。

●帰国時の「別送品申告」手続きの流れ

1.機内で「携帯品・別送品申告書」を作成

到着が近づくと機内で携帯品・別送品申告書が配布されます。
記入例を参考にして必ず2通作成しましょう。
携帯品欄には入国時に携帯品として持ち込む品物を記入。
別送品欄には引越貨物として送った荷物の合計数を記入します。
特に酒類・たばこ・自動車・銃砲刀剣類などは正確な個数を記入しましょう。

2.入国審査を受ける※有人窓口へ

空港到着後、入国審査を受けます。
有人窓口を利用しましょう。
のちの税関検査で、帰国印の押されたページのコピーを提出します。
自動化ゲートでは印が押されませんので注意しましょう。

3.税関に申告書を提出する

荷物を受け取ってから税関で申告書を提出します。
2枚申告書を提出し、1枚は税関のスタンプを押され返却されます。

4.引越し業者に必要書類を渡す

捺印された別送品申告書を速やかに引越し業者に郵送などで渡しましょう。
業者によっては空港内に受付カウンターを設置しています。
この場合、申告書とパスポートのコピーをその場で渡すことができるので非常に便利です。

輸入禁止品が発見された場合

輸入禁止品が荷物に含まれていた場合、関税法等により処罰を受けます。
十分注意しましょう。
また、輸入禁止品等が見つかったために通関手続きに時間がかかり、手続きを代行する業者側に予定外の作業が発生した場合は、諸作業にかかった費用は自己負担となります。

【関連記事】帰国時の引越しの荷物仕分けで注意すべき6つのポイント
※「日本への持込が禁止・規制されているもの」の項目

課税される場合

税関の手続きと確認により、免税範囲を超える新品、課税対象物については課税されます。
課税額決定後、通知され、関税が支払われてから荷物は入国できます。

関税が課せられた場合は、業者とやりとりをして、速やかに支払って荷物を届けてもらいましょう。

【関連記事】帰国時の引越しの荷物仕分けで注意すべき6つのポイント
※「輸入免税について」の項目

こんなトラブルがあった時はどうする?

●別送品申告を忘れた!

引越し荷物について申告するための別送品申告。
うっかり、「手荷物についてだけ申告し、別送品について手続きするのを忘れてしまった!」という場合、引越し荷物は旅客の荷物の一部とはみなされず、一般の輸入貨物としての手続きを受けることになります。

別送品申告は、入国後にすることはできません。
気が付いたらすぐに引越し業者に相談しましょう。

なお申告書のPDF版が税関のWEBサイトからダウンロードできます。
忘れそう、あるいは帰国した時に何を書けばいいかわからないかも、という方は、帰国の途に着く前に、一度何を記入すべきか、確認しておきましょう。

【参考】税関WEBサイト「入国時における「携帯品・別送品申告書」の提出について」

●領収書がない!

いざ帰国するタイミングになって、購入したい記念品や自分のお土産もあるでしょう。
しかし、引越し荷物に含まれる新品は20万円以内を免税枠としています。
それ以上の金額に及ぶと判断される場合、領収書と照らし合わせて確認されます。

帰国間際でバタバタと買い物をして、領収書はどっかに行ってしまった、となると、輸入通関で手間取ってしまい、荷物がスムーズに配達されません。
これくらい大丈夫、と思わず、きちんと揃えて、引越し業者に渡しておきましょう。

日本入国時・通関の注意点Q&A

税関検査は必ず受ける必要があるのでしょうか?
日本に到着した荷物は必ず税関の検査を受けます。
免税範囲の確認のほか、日本への輸入が禁止されているもの、植物など感染症や病原菌を持ち込む恐れがあるものについて検査します。
自分でやる手続きは別送品申告だけで大丈夫ですか?
別送品申告書を提出するほかに、通関を代行する引越し業者に必要書類を渡しておく必要があります。
帰国前にはパッキングリストと梱包した新品のレシートや証明書などの書類、また帰国後は別送品申告書とパスポートとスーツケースの鍵、などが挙げられます。
これらの書類の受け渡しについては、引越し前に業者とよく打ち合わせをしておきましょう。
別送品申告書を手渡せるカウンターがあると案内を受けました。
一部の引越し業者では、別送品申告書を空港の到着ロビーで預かるサービスを実施しています。
申告書を紛失する恐れもなく大変便利です。
カウンターの場所は事前に業者に確認しておきましょう。空港によって対応していない場合もあります。

日本入国時・通関の注意点まとめ

①業者が輸入通関手続きは代行。荷物の確認・書類準備は自分自身で。
②必要書類は業者とよく打ち合わせて準備を。
③別送品の申告は自分自身で!忘れると免税が適用できません。
④帰国時でうっかり!も。必要手続きを事前にイメージしておきましょう。
⑤輸入禁止品が入っていませんか?入念に確認を。
⑥関税が支払われてから荷物は入国。速やかに支払いましょう。
⑦別送品申告忘れに要注意。荷物を受け取るまで気を抜かないように。

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