海外の住宅選びのポイント

住宅の賃貸料は赴任先国や地域によってかなりの格差があるのは当然ですが、近年は東京や大阪よりも高水準の都市が多くなっています。
先進国でなくとも、駐在員用の住宅は一般的に日本より高い家賃になっており、先進国や途上国を問わず、どの都市でも治安の良い地区の家賃は高くなっています。
しかし、多少家賃が高くても、安全対策を優先する方が賢明といえます。もし事件や事故に遭遇したら、赴任社員や帯同家族だけでなく、企業も多大なダメージを受ける結果になりかねません。その点を人事、総務担当者は赴任社員に伝える必要があります。
また、国や地域によっては、民間のガードマンを雇わなければならない場合もあります。
先任の駐在員がいる場合は、地域の安全性や家賃相場などを事前にヒヤリングし、できるだけ多くの情報を得て、比較・判断することを伝えましょう。
また、出発前の情報収集は信頼できる不動産会社のホームページや雑誌などからも得ることができ、安全性や家賃相場の目安をつけることができます。

次の3点は、最低限のチェックポイントです。
①最寄りの交通機関からの道路に街灯が設置してあるか
②駐車場が敷地内にあるか
③建物の出入り口のセキュリティーが完備されているか

赴任社員が馴染みのない国や都市で住宅探しをする場合、日本語の通じる不動産会社に依頼すれば、人事、総務担当者も安心度が高まります。
安全性も考慮し日本人が生活しやすい物件の照会や、難解な契約書の内容説明も理解でき、予算や住環境などの要望も伝えやすいです。
日本人は契約内容を詳細に検討しないまま契約してしまう傾向があるので、契約後のトラブルを避けるためにもよく確認する必要があります。
契約書には規制や禁止事項もあり、途中で解約すると違約金をとられる場合が少なくありません。建物や家具にキズをつけたときの補償責任、ペットや楽器の規制など詳細に記載してあるものもあります。
入居前に不動産会社の立ち会いで建物や家具の点検、キズの有無を確認（場合によっては記録）しておけば、解約時のトラブルも避けられます。入居後のトラブルがこじれると、居住社員や家族だけでなく企業の信用や責任問題にもなることを念頭に入れて契約に臨みましょう。

海外へ赴任する場合、当該社員にとって留守宅の管理は重要な問題です。
赴任期間中限定で賃貸契約するか、または空き家で管理するにしても個人では対処が難しい場合があります。
企業が唯一できることは社宅として借り受けることくらいですが、その場合でも家屋の維持や管理までは不可能といえます。
当該社員が安心して業務を遂行するためにも、専門の仲介業者に任せることを勧めるのが肝要といえます。
留守宅の賃貸借仲介や斡旋、賃貸中の管理業務（賃貸料の徴収や借主のクレーム処理など）、家屋の維持・管理、引越サービス、家財保管、増改築・修理など、留守宅の総合的な管理を行っています。
賃貸契約の場合、業者によっては借主の賃貸料が遅れても決められた額を期日に受け取れるなどの制度もあり、安心できます。