海外滞在中の子供の教育
海外での子育てを支えるもの~現地の子育てコミュニティとつながる~
夫の海外赴任に同行し、フィリピン(マニラ)とインドネシア(ジャカルタ)で2人の子どもを育てた筆者が、海外で子育てするときに助けとなったものについて紹介します。期待と不安いっぱいに現地の空港に降り立ったあの日から、筆者の海外での子育てというチャレンジが始まりました。
公開日:2026年5月14日
この記事で書かれていること
初めての海外での子育ては、右も左も分からないことばかり

我が家の初めての海外駐在生活は、2人の息子がそれぞれ3歳と10か月の時に始まりました。南国特有の蒸し暑い風が吹くフィリピンの空港に降り立ったとき、私の右手をぎゅっとつかんだ長男は不安できょろきょろ辺りを見渡していました。そして私の胸には、つかまり立ちを始めたばかりの次男が興味津々で、いまにも抱っこ紐から飛び出さんばかりに、あちこち手を伸ばしていました。
子どもたちと一緒に、初めてフィリピンの空港に降り立った瞬間のことを、今でもよく覚えています。これから始まる海外での新しい生活への期待と不安でいっぱいだったあの日。
そして、私の海外での子育てというチャレンジが始まりました。離乳食に使える食材は?衛生面から飲用には使えないというフィリピンの水で乳児の食器を洗って大丈夫なの?予防接種や乳幼児健診はどう受ければいいの?病院はどうやって受診すればいいの?学校選びは?子どもたちが幼い時期はもちろん、年齢が上がり、海外での生活に少しずつ慣れても、分からないことは沢山ありました。
現地で出会ったママたちとの支え合いの日々

そんな1つ1つの疑問に答えてくれたのは、現地で出会ったママたちでした。既にその地に何年も暮らしているベテランママたちは、現地の文化やしきたり、先人達の知恵を惜しみなく共有してくれました。同じ時期に渡比した新人ママ同士は、自分が得た新しい情報をお互い共有することで、フィリピンでの子育てを一緒に頑張ろうという空気がありました。何かと不便も多かったフィリピンでの生活ですが、用事があるときはお互いの子どもを預け合い、自分が買い物に行くついでに声を掛け合いママ友の分の買い物もしてくる等、助け合いながら生活しました。我が家の下の子が入院したときは、ママ友が上の子を預かり夕食まで食べさせてくれたことも。ママ同士が助け合い、一緒に子育てをすることは当たり前、という雰囲気がありました。日本では、マンションの隣人の顔もよく知らない都会の生活でしたが、ひと昔前の日本に戻ったような温かな支え合いの日々は、とても心強くまた居心地のよいものでした。
現地の子育てコミュニティとつながる

海外での子育ては、誰にとっても未知の世界です。文化や医療レベルが異なることで、戸惑うこともあるでしょう。世界各地には、現地で子育てをする日本人ママたちが助け合う沢山のボランティア団体があります。日本の子育てひろばのように子どもを連れて行けばママ同士が気軽にお喋りできる場を作り、季節の行事・絵本の読み聞かせ・手遊びなど楽しい企画が沢山。最近ではSNSを使って各団体が積極的に情報発信をしています。是非一度覗いてみてください。
世界各地の日本人の子育てを支援する団体
【イギリス(ロンドン)】
【フランス(パリ)】
【インドネシア(ジャカルタ)】
【タイ(バンコク)】
【中国(上海)】
【シンガポール】
【アメリカ】
- JB Line
- Boston Japanese Language Education Support Group for Parents
- FaaB
- Hub Park
- JPS Group
- ぽーと会 〜アメリカで暮らす親子の共育・進学・キャリアについて考える会〜
日系ボストニアンサポートライン
BJSupp:ビージェイサップ。ボストン日本語教育保護者サポートグループ
日本人・日系人子育てサポートグループ
※下記WEBサイトには、海外での子育てに役立つ情報が掲載されています。
私も誰かの役に立ちたい、子育てコミュニティでのボランティア経験

2か国目の赴任地の就労が認められなかったインドネシアでは、「これまで先輩ママからもらった恩をどこかで返したい」という思いから、ジャカルタマザーズクラブという団体でボランティアスタッフとして活動に参加させてもらいました。ビザの関係で駐在同行配偶者の就労が認められないインドネシアでは、ボランティア活動に参加することで日々の生活に張り合いができ、日常生活では出会わなかっただろう友人ができるなど、インドネシア生活の幅がぐっと拡がったように感じています。子育てに関連する団体は、常時スタッフを募集しているところが多いと聞きます。海外での過ごし方の選択肢の1つとして、考えてみてもいいかもしれません。
実は私、日本にいる間、勝手に「狭い駐在員妻の世界って、何だか怖そう」という漠然とした不安を持っていました。もちろん、様々な考えを持つ人が集まるので、人間関係の問題は起こり得ます。ですが、助けてくれる人も沢山いました。駐在員には異動もあるので、一時居心地が悪い人間関係も永遠には続きませんでした。インターネットが発達した時代なので、離れた土地にいる友人が支えになってくれたこともありました。現地での過ごし方の選択肢は沢山あります。合わなければ距離を置けばいいくらいの気楽な気持ちで、現地のコミュニティに飛び込んでみればいいのかなと、今は思っています。
– 執筆 –
大橋 ひとみ 一社)ゆいグローバルネット
在外邦人をはじめとする越境する人々の相互支援の輪を拡げ、経験知をつなぐ非営利団体です。世界各地の邦人互助団体とのネットワーク作りに力を入れ、お互いに学び合い、課題を共有し、海外生活の工夫を共有することで、駐在同行家族が世界各地で生き生きと活躍できる場づくりを目指しています。様々なテーマでイベントや講座を行う他、毎年10月には世界各地の邦人互助団体が主催するオンラインイベントが一同に介する「ゆいフェス」を開催しています。海外で子育てを経験したママたちによる「世界の子育て事情トーク会」も、好評企画として定期開催しています。

