海外引越の準備

海外引越しでは家電を持って行ける?行けない?変圧器購入のポイントも解説

海外に冷蔵庫や洗濯機、テレビ、ドライヤーなどを日本から持って行っても、プラグの形状や電圧が違うため、使用できないことがあります。今回は、家電を海外で使う際の注意点をまとめました。変圧器購入時のポイントも詳しく解説するので、海外赴任や海外旅行の予定がある方はぜひ最後までご覧ください。

家電に記載されている電圧を確認する

まず持って行きたい家電製品の対応電圧を確認しましょう(下記画像)。日本の電圧は100Vで、主な諸外国より基本的に低く、多くの日本向け電化製品は100V対応で作られており、海外でそのまま使うと、高電圧で壊れてしまう恐れがあります。持ち込みたい家電製品が100Vのみ対応の場合は、電圧を下げる変圧器(ダウントランス)が必要です。 

一方、変圧器がなくても海外で使用できる家電があります。マルチボルテージといい、100Vから最大240Vまで対応しているため、世界中で使うことが可能です。パソコンやデジカメの充電器に多く、この場合は変圧器の必要がありません(下記画像、右側)。

なお、乾電池のサイズは世界共通なので現地でも購入は可能です。呼び名が国によって異なるので注意してくださいましょう。

株式会社カシムラ 資料提供:株式会社カシムラ

家電製品の裏側などに表示があるので、必ずチェックしてください。左は100Vのみ対応なので、海外で使用するには電圧を下げる変圧器が必要です。右は表示範囲内の電圧に対応したマルチボルテージなので変圧器は不要です。

海外でも使えるプラグか確認する

海外でも使えるプラグ

各種プラグの形状、上記の通りです。 

変換プラグは赴任地の条件を確認して用意します。旅行や出張で他国に行くこともあるのでマルチタイプがおすすめです。同じ国でも古い建物や観光客向けの建物などでは一部違うプラグの場合もあります。

また、1つのマルチタイプの変換プラグからタコ足配線をすることは避けましょう。マルチタイプの変換プラグは許容電流値が比較的小さいためです。電源タップを使用する場合は、許容電流値10アンペアA以上の変換プラグを使用し、海外向け高電圧対応の電源タップを選んでください。

各国の電圧・プラグ

各国の電圧とプラグは以下の通りです。

国名

周波数

電圧

プラグタイプ

アジア

インド

50

115V,230V,240V

B C BF B3 SE

インドネシア共和国

50

127V,220V,230V

A B C BF B3 SE

シンガポール共和国

50

115V,230V

B C BF B3

タイ王国

50

220V

A B C BF B3

大韓民国韓国

60

110V,220V

A C SE

中華人民共和国

50

110V,220V

O2 A B C BF B3 O SE

中華民国台湾

60

110V,220V

A C O

パキスタン・イスラム共和国

50

230V

A B C B3

フィリピン共和国

60

120V,230V,240V

A B C B3 O

ベトナム社会主義共和国

50

110V,220V

A C BF SE

香港

50

200V,220V

B C BF B3

マレーシア

50

240V

B C BF B3 SE

ミャンマー連邦共和国

50

230V

B C BF B3 SE

ラオス人民民主主義共和国

50

220V

A C SE

オセアニア

オーストラリア連邦

50

240V,250V

O2 O

ニュージーランド

50

230V,240V

O2 O

北アメリカ

アメリカ

60

120V

A

カナダ

60

120V,240V

A BF

中近東

アラブ首長国連邦

50

220V,240V

B C BF B3

イラン・イスラム共和国

50

230V

C BF SE

サウジアラビア王国

50

127V,220V

A B C BF B3 SE

トルコ共和国

50

220V

B C B3 SE

中南米


 

 

 

コロンビア共和国

50

120V

A

チリ共和国

50

220V

C BF B3 SE

ブラジル連邦共和国

60

110V,127V,220V

CB A C SE

メキシコ合衆国

60

120V,127V,230V

A C SE

ヨーロッパ


 

 

 

 

 

 

 

 

イギリス

50

230V,240V

B C BF B3

イタリア共和国

50

125V,220V

A C SE

オランダ王国

50

230V

B C SE

スイス連邦

50

230V

A B C SE

スペイン

50

127V,220V

A C SE

ドイツ連邦共和国

50

127V,230V

A C SE

フランス共和国

50

127V,230V

A C O SE

ベルギー王国

50

110V,220V

A B C SE

ロシア連邦

50

127V,220V

A B C SE

アフリカ


 

 

エジプト・アラブ共和国

50

220V

C BF B3 SE

ケニア共和国

50 240V

B C BF B3

南アフリカ共和国

50

220V,230V,250V

B C BF B3

テレビ・DVDは規格に注意

テレビ・DVDは規格に注意

テレビやDVDDVDプレーヤーは各国で規格が異なるので、赴任国の規格を確認ておきましょう。日本の規格はテレビの場合、地上デジタル放送はISDB-T方式、DVDはリージョン2で映像はNTSCです。例えば、日本で購入したDVDを赴任地でも見たい場合、現地で購入したDVDプレーヤーでは、規格の違いから再生できない場合があります。

新品の家電に注意

新品の家電については、国によっても異なりますが課税対象になる可能性や、免税で通関できない可能性も。事前に引越しを依頼する業者に確認をしておきましょう。赴任地によっては、日本と同等なものが手に入る場合もあるので、海外で入手し難い家電製品を除いて、現地購入を検討することも必要です。

変圧器はどうやって選ぶと良いか

変圧器選び方

日本の家電を海外で使用する際に必要な変圧器。ここからは、変圧器の選び方のポイントをご紹介します。

変圧器の種類

変圧器は、下記の3種類があります。

  • 【ダウントランス】電圧を下げる変圧器です。日本の家電を海外で使用するときに使います。
  • 【アップトランス】電圧を上げる変圧器です。海外の家電を日本で使用するときに使います。
  • 【アップダウントランス】電圧を上げるまたは下げることが両方出来る変圧器です。

変圧器の選び方と注意点は?

変圧器の容量は小型のもので20VA、大型だと3000VAなどの商品があります。基本的には、使用予定の電化製品の定格消費電力を目安にして選んでください。主な電化製品の定格消費電力の目安は以下の通りです。

スマホ充電器

10W

ACアダプター

(各種)

30150W

ジューサーミキサー

150600W

シェーバー

1030W

ノートパソコン

50150W

ヘアードライヤー

1200W

デジタルカメラ

2050W

デスクトップパソコン

200W

炊飯器

1300W

ビデオカメラ

(カメラのみ)

2050W

デジタルオーディオ

プレーヤー

20100W

電子レンジ

1400W

さらに、同時にチェックすべきポイントもご紹介します。

一時的に消費電力が高くなる家電に要注意

一時的に消費電力が高くなる家電

電熱機器、照明器具、モーター内蔵の電化製品は、スイッチを入れたときに定格消費電力の23倍の電流が流れる場合があるので、変圧器も定格消費電力の23倍の容量を選びしょう。モーターや蛍光灯、マイクロコンピュータを使用しているもの、音響機器は、波形がゆがんでおり変圧器にかかる負担が大きいので、こちらも定格消費電力の23倍のものを使ってください。一時的に消費電力が高くなる可能性がある製品は、以下の通りです。

モーター内蔵器具

ドライヤー、冷蔵庫、空気清浄機、掃除機、扇風機、ミシン、フードプロセッサー、ジューサー、ミキサー、加湿器など

電熱器具

炊飯器、電子レンジ、アイロン、ホットプレート、電気ポット、コーヒーメーカー、オーブントースター、IH調理器、ホームベーカリー、ヘアーアイロン、電気毛布、など

なお、30分以上継続して使用する場合は、定格容量が定格消費電力より20%以上大きい変圧器を選びましょう。

バックアップを忘れずに

バックアップ

データ等を保存している製品を使用する場合は、必ずバックアップしてから使用してください。

引越しに間に合うように輸送の手配をする

大型の3000VA変圧器で重さは11.5kg程度。小型の300VAでも1.31.4kg程度とかな

り重いので船便に間に合うように購入しましょう。また、変圧器はリチウム電池を使用していないことが多いですが、航空便で送る際は、リチウム電池内蔵の有無を申告する必要があるので確認が必要です。

変圧器を使ってはいけないもの

医療機器には使用してはいけません。

こちらは、2023121日発行の「海外赴任ガイド2024年版」を元に作成しています。紹介内容が原文と異なる場合もあります。

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