赴任に必要な手続・届出
海外赴任到着後の手続きはOK?在留届の届出方法や在外公館について紹介
海外赴任が決まってから、パスポートの手配や引っ越し準備、家族帯同の場合は学校の選定や住宅探しなどで忙しいでしょう。海外赴任到着後も生活基盤の整備、役所での手続きなどやることが沢山あります。そこで今回の記事では、在留届や在外公館、日本人会について紹介します。在留届の届出方法まで詳しく解説するので、参考のうえ準備万端にしておきましょう。
この記事で書かれていること
海外赴任到着後の手続きは大丈夫?
いよいよ海外赴任の始まりです。家のインフラの整備、銀行口座の開設、学校入学の手続きなど生活の立ち上げには3か月ほどかかるとも言われています。慌てず1つ1つ進めていきましょう。ただし、公的な手続きとして在外公館へ「在留届」の提出は到着後できるだけすぐに行うことが重要です。「在外選挙人名簿登録」も合わせて済ませておくとよいでしょう。
「在留届」を提出しよう
旅券法第16条の規定により、海外に3か月以上滞在する日本人は、在外公館に「在留届」を提出することが義務付けられています。これは在外公館が在留邦人の緊急連絡先等を把握し、邦人の安全を守るべく必要な対応ができるよう、在留邦人自身が現地に滞在している事実を届け出るものです。住所や緊急連絡先、勤務先などを伝えます。内容に変更が生じた場合はすぐに届け出ましょう。緊急時にもかかわらず、古い電話番号に在外公館からの連絡が行ってしまい安否が確認できなかった、などという事態はさけたいです。また、メールアドレスを登録すると治安に関する情報や注意喚起のほか、在外公館での行事や在外投票の案内などのメールを受信することができます。
到着後すぐに在留届を出そう
インターネットでの提出が便利です。到着後できるだけすぐ届け出るようにしましょう。届け出後に住所や連絡先などを変更した場合は、その旨必ず届け出ます。また帰国・転出時も「帰国・転出届」を忘れずに届け出ましょう。オンライン在留届(ORRnet)経由であれば、パスポート等のオンライン申請が可能です。
在留届の届出方法
- インターネット「オンライン在留届(ORRnet)」で届け出る。
「オンライン在留届(ORRnet)」を利用すればインターネット上で届け出ができる(ただし、現地到着前の届け出は不可)。
参考Webサイト:外務省「オンライン在留届」 - 在外公館の窓口で所定の用紙に記入し届け出る。
- 郵送で在外公館に送付する。遠方で窓口まで出向いて届け出できない場合、外務省Webサイトからフォーマットをダウンロードして印刷し記入の上、管轄の在外公館へ郵送する。
在留届の基本的な目的
- 海外での大規模な事件、事故、自然災害等の緊急事態が発生した際、大使館や総領事館等の在外公館が在留邦人の安否確認等を行うため緊急連絡先を確認する資料となります。
- 大使館や総領事館等の在外公館から在留邦人に対し、緊急時を含む連絡を行う必要が生じた場合、在留邦人の連絡先を確認する資料となります。
- 在留邦人のための各種支援対策を政府が検討する際の基本的資料となります。
在外公館を利用しよう
日本国内に住んでいる限りあまり馴染みのない日本大使館や総領事館などの在外公館。ここでは、パスポートの更新や、現地で出産した時の出生届の受理など、各種行政サービスを行っています(表1)。
表1 在外公館が行っている主な領事行政サービス
各種証明書発行などにかかる手数料、必要書類、所要日数等は事前に管轄の大使館・総領事館に確認してください。
参考資料:外務省ホームページ「パスポート(旅券)」
また、事件・事故や様々なトラブルに遭った場合、相談に応じ、案内や助言、支援等を行い、大規模災害や情勢不安など緊急事態発生時には安否確認のほか、最新の現地安全情報の提供なども行っています。ただし、所在国の法律・主権との関係があって、できないことがあるため留意してください。出発前に一度、確認しておきましょう。
日本人との交流を深めるには?
現地には「日本人会」とよばれる在留邦人の親睦を目的とした組織が置かれている場合があります。これらは、基本的には、会員登録している企業や個人が資金を出し合い運営しているものです。そのため、各地域で規模が全く異なります。
日本人会は現地の日本人学校や補習授業校との交流行事として運動会や遠足などを行っています。シンガポールや、タイ、中国の大都市では比較的規模が大きく、在留邦人向けの図書館やラウンジなどを設けている場合もあります。赴任者の多くが会員登録して、現地情報の交換などに活用しているようです。入会は日本人会に直接問い合わせるか、Webサイト、または到着後に在外公館などに確認し、連絡してみましょう。
※こちらは、2023年12月1日発行の「海外赴任ガイド2024年版」を元に作成しています。紹介内容が原文と異なる場合もあります。