海外引越の準備
海外引越しの荷造りはどうしたらいい?梱包のコツやパッキングリストのポイントも解説
海外赴任先への引越しとなると、荷造りはどうすればいいのだろうと不安に思う方も多いでしょう。特に、船便のコンテナや航空便で送るものなども多くなるため、輸送距離が長いだけではなく、長期間輸送となることも考慮しておく必要があります。そこで今回は、海外引越しの際の荷造りについて解説。梱包のコツとパッキングリストを書く時のポイントも紹介しているので、参考にしてください。
この記事で書かれていること
海外引越のポイント
まずは、海外引越しする場合に注意すべき点をおさえておきましょう。
①パッキングリストの作成
必ず通関手続を経るので、どの箱に何が、いくつぐらい入っているかを示す内容明細「パッキングリスト」を作成します。業者が規定のリストを用意してくれますが、自分で梱包する分は自分で記入しましょう。
②長期間輸送に備えた梱包
港や空港での積み下ろしや、長期間の輸送に耐えられる梱包にしなければいけません。航空便の場合、飛行機への積み下ろしの衝撃があるため、こわれ物はできるだけ避けましょう。船便の場合、数ヶ月間海の上にいることになるので、衣類などに防虫剤を入れておくと安心です。
③船便は荷物の容積・航空便は「計算重量」で料金が決まる
船便は容積が料金基準なので、コンパクトな梱包を心がけましょう。また、航空便は実重量と容積重量のいずれか重い方が「計算重量」として基準になります。軽い荷物でも容積が大きいとかえって高額になるため、梱包で小さくするなど工夫しましょう。
荷造りの順序とパッキングリスト書き方のコツ
①ダンボールの用意
なるべく同じサイズのものをそろえましょう。船便の場合、ダンボール箱は業者がまとめて輸送用外装梱包を組みます。このとき、ダンボール箱のサイズが違うと外装梱包内にムダな空間ができてしまうのです。
そのため、引越し業者にダンボール箱を届けてもらいましょう。一緒にエアークッション(丸いプチプチが一面についたビニール)も頼んでおくのがおすすめです。
②ダンボール箱に通し番号を書く
ダンボールに1・2・3…と通し番号をつけます。なぜなら、パッキングリストを作成するために必要だからです。ノートなどにダンボールの番号と、梱包したもの、それぞれの数量をメモしておき、リストの作成準備をしましょう。
③荷物を分類する
衣類、食料品、食器、調理器具、台所用品、電気製品、書籍、子ども用品、寝具、その他など、大まかに分類しましょう。なるべく同じ種類のものは同じ箱に詰めると、パッキングリストを作成しやすくなります。
④こわれ物の梱包に注意する
陶器、ガラス器などこわれ物はエアークッションでしっかり包みます。購入時の専用ケースがあれば利用しましょう。ただし、引越先の国によっては、ケースが真新しいと新品とみなされ、課税されることがあるので注意してください。こわれ物以外でパッキングの必要があるものは、新聞紙などで包んでおきましょう。
⑤ダンボールに詰める
衣類、寝具以外を詰める時は、底にクッション材を敷き、すき間を作らないようにしましょう。クッション材、パッキング材以外に下着やタオル、衣服などを利用するとムダを出さずにすみます。クッション材としてはセーターやスウェットシャツ、タオル。すき間を埋めるにはTシャツや下着が役立ちます。ビニール袋に入れて使えば、汚れる心配もありません。
衣料品を詰める際には、防虫剤を入れておくとよいでしょう。ただし、異なる種類の防虫剤を一緒にしておくと化学反応を起こすので注意が必要です。
なお、新品を別送する場合は包装、値札、タッグなどは取り外しておき、新品ばかりまとめて入れないようにしてください。
引越荷物保険へ加入しよう
輸送中の万一の損傷や紛失に備えて、引越荷物には必ず保険をかけておきましょう。引越し業者のほとんどは損害保険会社と代理店契約を結んでいるので、相談するのがおすすめです。引越荷物保険では、引越荷物を輸送業者に渡した時点から、到着後の指定した場所に配達されるまでの間に生じた損害が補償されます。一定金額以上の荷物は、保険申請用紙に各品目の金額を記入。保険金額は、万一事故が発生した場合代替品を購入する場合の価格を目安にします。貨紙幣・有価証券、生動物は対象とはならないので注意してください。また、宝石類・貴金属類についても引越荷物としての受託が禁止されていて、保険対象にならないので別途携行することが望ましいです。
引越荷物が配送された後、損傷等の異状が見つかった場合は、すぐに引越し業者に連絡し事実を確認してもらい、保険会社への連絡など、必要な手続をとってもらいます。保険による補償を確保する為には、引越し輸送業者への通知期間が決まっているので事前に確認してください。損傷があった場合は、念の為自分でも写真を撮っておくようにします。
なお、携行手荷物は、海外旅行保険によって補償されます。対象はあくまで荷物に限定され、現金や有価証券等は対象ではありません。支払われる保険金は、家具や電気製品など修理可能なものは修理実費を、修理不可能あるいは紛失の場合は、当該荷物の保険金額を基準に保険金が支払われます。
※こちらは、2023年12月1日発行の「海外赴任ガイド2024年版」を元に作成しています。紹介内容が原文と異なる場合もあります。