赴任先での生活や文化

海外のコンセント・変圧器事情

家電を赴任地へ持っていく場合、まずは現地で使用できるか確認が必要です。赴任地の電圧と電源プラグを調べましょう。その上で、変圧器や変換プラグなど必要な機器を用意します。現地購入は難しいので出国前に必ず準備を。

日本の家電はそのまま使えない場合が多い

日本の家電がそのまま使えない場合が多い

●日本の電圧は100V

炊飯器や、お気に入りのドライヤーなどを持っていきたい方も多いでしょう。
ただし、家電製品は持って行く前に、現地でも使用できるかどうか確認が必要です。

日本の家庭用電源は100Vで、多くの日本国内向けの製品が100V~120V程度の電圧に対応して作られています。

●海外の電圧は日本とは異なる

しかしながら、海外での電源は230V、250Vなど、日本よりも高い電圧を使用している国が多く、日本の100Vのみに対応している家電を海外でそのまま使ってしまうと、故障する可能性があります。そのため、電圧を100Vまで下げる変圧器が必要です。
ただし、携帯やパソコンのバッテリーなどは、多くの場合が100V~240V程度の幅広い電圧に対応しています(マルチボルテージ)。この場合、ほとんどの国で変圧器を使わずに使用することができます。
上記のような家電の対応電圧は、製品の裏側などに表示がありますので確認しましょう。


なお、コンセントの形状も国や地域によって異なります。変圧器や家電のプラグ形状が、赴任予定の国や地域のコンセント形状と異なる場合は、変換プラグを用意する必要があります。

世界のプラグの種類

●電源プラグは国によって形状が異なる

電源プラグは国や地域によって異なります。(日本はAタイプ)
赴任地のプラグ形状を確認して、変換プラグを用意しましょう。

また、同じ国の中でも古い建物や観光客向けの建物など、地域によっては一部違うプラグの場合もあるので注意してください。

海外赴任者の場合、赴任中に他国へ出張や旅行の可能性もあるので、さまざまな形状に対応出来るマルチタイプがオススメです。

【関連項目】各国の電圧・プラグ形状一覧

変圧器の選び方と注意点

変圧器を選ぶ際には、対応する電圧と、容量に注意して選びましょう。

●変圧器の種類

変圧器は大きく3種類あります。

ダウントランス

電圧を下げる変圧器。日本の家電を海外で使用するときに使います。

アップトランス

電圧を上げる変圧器。海外の家電を日本で使用するときに使います。

アップダウントランス

電圧を上げる、または下げることが可能な変圧器です。

●電圧の確認方法

対応電圧と定格消費電力の表示

「図①対応電圧と定格消費電力の表示」をご覧ください。このように、家電製品本体に入力電圧が記載されていることが多いです。
左は100Vのみ対応なので、海外で使用するにはダウントランスの変圧器が必要です。
右は100V-240Vと、表示範囲内の電圧に対応したマルチボルテージなので変圧器は不要です。

●海外で使用するための変圧器

ダウントランスが必要になります。ダウントランスは、入力電圧が110-130Vもしくは220-240Vのどちらかに限定しているものと、110-130Vと220-240Vの両方に対応しほとんどの国や地域で使えるものとがあります。
赴任地の電圧を調べて、適切なものを選びましょう。

●十分な容量のある変圧器を選びましょう

海外旅行などで使用する小さな変圧器はだいたい30VA~300VA程度の容量です。
これは小型のACアダプターを使用する程度の容量です。

例えば、ジューサーミキサーを持っていく場合、消費電力は600Wくらいなので、より大きな容量の変圧器が必要です。

家電製品の消費電力(定格消費電力)はワット(W)で表します。その家電製品の取扱説明書で必ず確認しましょう。消費電力を表すワット(W)数と変圧器の容量を表すボルトアンペア(VA)数は本来は異なるものですが、便宜上、ボルトアンペア(VA)数はワット(W)数に読み変えることができます。
図①「対応電圧と定格消費電力の表示」を例にしますと、左の消費電力は「10VA⇒10W」で、右の消費電力は「9.0VA⇒9.0W」です。


また、電熱機器(炊飯器など)、照明器具、モーター内蔵の家電製品(ドライヤーなど)は、スイッチを入れたときに定格消費電力の2~3倍の電流が流れる場合があります。
さらに、モーターや蛍光灯、マイクロコンピュータを使用しているもの、音響機器は波形がゆがんでおり、変圧器に大きな負担がかかります。
いずれも定格消費電力の2~3倍の容量の変圧器を選びましょう。
大容量の変圧器では、2000VAや3000VAのものがあります。

【関連項目】主な家電製品の定格消費電力の目安

●変圧器使用時の注意点

変圧器を使用するとき、データ等を保存している製品を使用する場合は、必ずバックアップをとっておきましょう。
また、医療機器には使用しないようにしましょう。

●船便推奨なので購入はお早めに!

大型の3000VA変圧器で重さは11.5kg程度。小型の300VAでも1.9kg程度とかなり重いので、手荷物は避けたいです。
また、変圧器はリチウム電池を使用していないことが多いものの、航空便で送る際は、リチウム電池内蔵の有無を申告する必要があるので確認しておきましょう。
オススメは船便。間に合うよう早めに購入し、厳重に梱包して送りましょう。

【関連項目】変圧器・変換プラグを販売するオススメのサイト

主な家電製品の定格消費電力の目安

携帯電話・スマートフォン充電器 10W
シェーバー 10~30W
デジタルカメラ 20~50W
ノートパソコン 50~150W
ACアダプター(各種) 30~150W
ヘアードライヤー 1200W
炊飯器 1300W
電子レンジ 1400W

●一時的に消費電力が高くなる製品

モーター内蔵器具 ドライヤー、冷蔵庫、空気清浄機、掃除機、扇風機、ミシン、フードプロセッサー、ジューサー、ミキサーなど
電熱器具 炊飯器、電子レンジ、アイロン、ホットプレート、電気ポット、コーヒーメーカー、オーブントースター、IH調理器、ホームベーカリー、ヘアーアイロン、電気毛布、加湿器など

各国の電圧・プラグ形状一覧

なお、電圧・プラグ形状に関する詳しい情報は株式会社カシムラ「変圧器を選ぶポイント」にて。

国名 周波数(Hz) / 電圧(V) プラグ形状
アジア 日本 50/60 100V A
インド 50 115/230/240V B C BF B3 SE
インドネシア 50 127/220/230V A B C BF B3 SE
シンガポール 50 115/230V B C BF B3
タイ 50 220V A B C BF B3
韓国 60 110/220V A C SE
中国 50 110/220V O2 A B C BF B3 O SE
台湾 60 110/220V A C O
パキスタン 50 230V A B C B3
フィリピン 60 120/230/240V A B C B3 O
ベトナム 50 110/220V A C BF SE
香港 50 200/220V B C BF B3
マレーシア 50 240V B C BF B3 SE
ミャンマー 50 230V B C BF B3 SE
ラオス 50 220V A C SE
オセアニア オーストラリア 50 240/250V O2 O
ニュージーランド 50 230/240V O2 O
北アメリカ アメリカ 60 120V A
カナダ 60 120/240V A BF
中近東 アラブ首長国連邦 50 220/240V B C BF B3
イラン 50 230V C BF SE
サウジアラビア 50 127/220V A B C BF B3 SE
トルコ 50 220V B C B3 SE
中南米 コロンビア 50 120V A
チリ 50 220V C BF B3 SE
ブラジル 60 110/127/220V CB A C SE
メキシコ 50 120/127/230V A C SE
ヨーロッパ イギリス 50 230/240V B C BF B3
イタリア 50 125/220V A C SE
オランダ 50 230V B C SE
スイス 50 230V A B C SE
スペイン 50 127/220V A C SE
ドイツ 50 127/220V A C SE
フランス 50 127/220V A C O SE
ベルギー 50 110/220V A B C SE
ロシア 50 127/220V A B C SE
アフリカ エジプト 50 220V C BF B3 SE
ケニア 50 240V B C BF B3
南アフリカ 50 220/230/250V B C BF B3

情報提供:株式会社カシムラ

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ユーザーの声

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Q:日本の電気製品を持って行きたいので変圧器について調べたのですが、よく分かりません。多忙で時間がありません。教えて貰えますか。
A:お任せ下さい。ご利用になる国、具体的に定格消費電力何ワット(W)の何をお使い予定か教えてください。
ご満足頂いています!迅速・的確・丁寧なユーザーサポート!
「海外から電話して正解でした。こんなにきちんと説明をしてくれるなら早く電話したら良かったです。」「電気のことは疎くて、自分で調べても結局分からなくて、丁寧な対応ありがとうございました。」お買い上げ前も、お買い上げ後もお気軽にお問い合わせください。迅速的確丁寧にアドバイス致します。

海外でのコンセント・変圧器に関するQ&A

Q1.変換プラグがあれば日本のテレビは使えますか?
現地の放送規格も確認してください。日本の場合、地上デジタルはISDB-T方式です。異なる場合、使用できません。
Q2.パソコンは海外でも使えますか?
使えます。
パソコンのバッテリーはマルチボルテージのバッテリーが主流で、幅広い電圧に対応しています。変換プラグだけを用意すれば使用できます。ネット接続などは、現地のプロバイダーなどに問い合わせて設定しましょう。ソフトは現地で購入した場合、日本語対応でない場合もあるので要注意です。
Q3.乾電池で動くものは?
乾電池のサイズは世界共通ですので、持っていって使用することができます。ただし、電池の大きさの呼称は国によって異なります。
Q4.タコ足配線をすれば、変換プラグは1個もっていけばOKですよね?
電源タップ(タコ足配線をするタップ)やコード自体が、海外の高電圧に堪えられない場合がありますので、タコ足配線はやめましょう。現在では、海外向け配線タップが販売されています。こちらであれば、電源タップやコードが高電圧に対応できるようになっています。

海外でのコンセント・変圧器のまとめ

①赴任先の電圧とプラグ形状を確認し、現地で使えるか判断を。
②赴任先の形状に合った変換プラグを準備しましょう。
③日本の家電を海外で使う場合、ダウントランスの変圧器の準備を。
④家電の消費電力を調べ、見合ったサイズの変圧器を選びましょう。
⑤変圧器は重いので、船便がオススメ。早めに購入しましょう。

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