赴任先での生活や文化
海外についたらやるべき安全対策とは?最新情報を得られるサイトもチェック
いよいよ海外赴任がスタートすると、日本とは違う環境に戸惑うことも多いでしょう。海外で正確な情報を得るためには、どのサイトをチェックするかが重要です。今回は、外務省海外安全ホームページ、海外安全虎の巻、領事メールそれぞれの特徴を解説します。海外赴任の予定がある方は、知りたい情報に合わせて使い分けをしてください。
この記事で書かれていること
海外到着後にやるべき安全対策は?
いよいよ海外赴任がスタートします。準備してきた情報や知識を生活に取り入れ実践していきましょう。夜間の外出は控える、人通りの少ない路地は避けるなど、基本的な対策を実行することが重要です。
さらに到着後は在外公館をはじめ、日本人会、企業連絡会、学校の友達や近隣に住む現地の人など、周囲のネットワークの中で情報を得る機会が増えます。現地メディアからの情報も得ることがあるでしょう。これらは日頃の情報源として非常に大切ですが、噂や偏った情報が混ざっている場合もあるので、どこから発せられたのか、どのような経緯で入手したのかを確かめ、見聞きしたものに対し冷静に判断するよう心がけましょう。
また、人々との交流やつながりを持つことは、いざというときに助け合うにも大切です。日頃からお互いの安全を守るため、協力する姿勢をぜひ大切にしましょう。
ストレスを感じたらメンタルケアを忘れずに
ここまで読んできただけでも、注意すべきこと、知るべき情報が多く、疲れしてしまうかもしれません。実際、海外生活する数年間、継続して緊張を保つのはかなりの負担になります。そのため、趣味の活動を継続する、定期的に運動するなど、気分転換にも工夫を凝らしましょう。ストレスをうまくコントロールして健康を保つことも安全対策のひとつです。特に環境が流動的なパンデミック以後、メンタルケア対策も海外安全につながっています。
領事メールをチェックする
2019年4月にはスリランカのコロンボで同時爆破テロ事件が発生しました。上記の画像はこの事件が発生したときに、在スリランカ日本国大使館が邦人向けに発出した安全情報(領事メール)です。この領事メールは、このような緊急事態発生時に状況の詳細情報を提供するほか、安否確認などの事件発生後のケア、さらにデモや集会の予定などの注意喚起といった情報も知らせてくれます。
領事メールは「在留届」を現地大使館に提出した在留邦人と「たびレジ」に登録した旅行者宛に配信されます。
出典元:外務省|たびレジ
万が一にそなえて緊急連絡先をまとめておく
万が一、テロに遭遇したとき、事故にあったとき、また自分ではなく家族が巻き込まれたときはどうするか考えましょう。緊急事態にそなえた準備をしておくことも必要です。
まず緊急連絡先リストは自分で作成しましょう。在外公館、現地勤務先、日本の本社、子どもの学校、医療機関、警察や消防署、航空会社、加入している保険会社やアシスタントサービスなどの住所や連絡先をまとめ、手帳やメモに記録して持ち歩くのがおすすめです。スマホなど電子機器に登録するだけでは、電源がなくなったときに対応できないので注意が必要です。また、国際電話の使い方も確認しておくと良いでしょう。
また緊急事態には大使館から連絡がくることもあります。もし在留届の届出内容に変更があった場合は、なるべく早く変更を届け出ましょう。
海外での安全対策のためにチェックしたい情報は?
最後に、海外で安全に過ごすためにチェックしておきたいサイトをまとめました。
外務省「海外安全虎の巻」
海外安全対策の基本をコンパクトにまとめた一冊です。渡航前に確認しておきたいポイントや、ケーススタディとして、さまざまなトラブル例が幅広く掲載されています。外務省の海外安全HPや海外安全アプリからダウンロードが可能で、巻末には在外公館リストも掲載されています。
外務省「海外安全ホームページ」
海外安全ホームページでは、各国の安全情報を閲覧できます。まずは赴任国のページを見てみましょう。各国の情報は現在以下の6つのカテゴリーで発出されています。
- 危険・スポット・広域情報
今現在の危険度について「危険情報」と「感染症危険情報」の2つに分けて発出されます。
「危険情報」は、内乱、テロ情勢、各国の政治・社会情勢などを総合的に判断し発出され、安全対策の目安をお知らせするものです。「感染症危険情報」は、新型コロナウイルス感染症を含む危険度の高い感染症に関し発出されます。各国の地域別に発出されるので、勤務地・居住地・近隣の地域なども確認可能です。
また「スポット情報・広域情報」「現地大使館・総領事館等からの安全情報」の欄では、外務省・在外公館等が現在発出している情報が掲示されています。これは「領事メール」として発出されたものなので、発出と同時に受け取るためには「たびレジ」に登録するか、渡航後に在留届の届け出をしましょう。
- 安全対策基礎データ
各国の犯罪発生状況のほか、入国審査、風俗・習慣、現地の警察等、滞在中の緊急連絡先、在外公館連絡先などがまとめられています。
- テロ・誘拐情勢
各国のテロ・誘拐事件における特徴が確認可能です。手口の詳細、犯罪組織名、あるいは日本人・日本権益に対する脅威などに分類し説明されています。
- 安全の手引
各在外公館が独自に作成している「安全の手引」には、現地で注意すべき犯罪手口、交通ルール、また現地在留邦人の被害の情報など、現地滞在者目線の情報がまとめられています。
- 医療事情
現地でかかりやすい病気、怪我に関する注意喚起のほか、一部医療機関連絡先の紹介、現地で推奨される小児予防接種の紹介などが確認可能です。
- 緊急時の連絡先
現地警察他、在外公館の連絡先一覧です。なお、現地安全情報は在外公館HPにも掲載されているので、こちらもチェックしておきましょう。
出典元:外務省|海外安全ホームページ
出典元:外務省|在外公館長及び在外公館ホームページ
現地の大使館から送られる「領事メール」
上記は、2019年4月のスリランカ・コロンボにおけるテロ事件発生時の、在スリランカ日本国大使館からのメールです。現地の大使館および総領事館では、在留邦人向けにメールによって現地最新治安情報を発信しています(領事メール)。現地到着後に在留届を提出してアドレスを登録すれば受け取ることが可能に。配信されるのは治安情報(事件の発生とその後の経過、交通ルールの変更、デモの予定、外出禁止令など生活に関わる法律の発布など)のほか、緊急事態発生時にはメール返信による安否確認や、大使館の行事や在外選挙のお知らせなども含まれます。また治安情報については「たびレジ」の登録者も、同じ情報を受信可能です。
海外赴任者の場合、渡航前は「たびレジ」に登録し、到着後は在留届を提出して引き続き領事メールを受信するのが良いでしょう。感染症情報についても、この領事メール・たびレジを通じて随時発出されているので、渡航前から登録してフォローしておくのがおすすめです。また、「海外安全ホームページ」の各国の「危険・スポット・広域情報」にて、過去に発出された領事メールを閲覧が可能です。
出典元:外務省|たびレジ
出典元:外務省|海外安全ホームページ
外務省から発表されているテロ・誘拐対策の指南書
海外でのテロ・誘拐等の有事の対策を、劇画とともに分かりやすく解説した「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」。2016年7月の邦人7名が犠牲になったダッカ襲撃テロ事件をきっかけに作成されたました。
安全対策に欠かせない治安情報の収集方法の解説のほか、空港やホテルでの注意事項や、万が一襲撃された場合の初動体制等をチェックリスト付きで紹介しています。なお、本マニュアルは、外務省の海外安全HPからも閲覧可能です。外務省公式Youtubeでは動画版も公開中です。
出典元:外務省|海外安全ホームページ 「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」
※こちらは、2023年12月1日発行の「海外赴任ガイド2024年版」を元に作成しています。紹介内容が原文と異なる場合もあります。