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外へ外へ

ある生徒の父親Aさんは、途上国に農業技術支援をしていらっしゃいます。先日このAさんに、「自分軸自己診断テスト」をしてもらいました。そのうちの一つに、「弔辞の時に、だれにどのようなメッセージを言ってもらいたいですか?」というものがある。このようなシチュエーションをイメージしてもらうことで、自分がどんな人生を送りたいかと言う、潜在的な願望を言葉にしてもらうのです。するとAさんは、


「まったくイメージができない」


と言います。その理由を尋ねると、


「死後の世界に全く興味がない。そもそも日本で死んでいるというイメージがない。私の女房がいるペルーでは、あんな仰々しいセレモニーはやらない」


日本みたいに狭い土地で老後まで暮すつもりはないともいいます。日本のようにじめじめした人間環境のなかで周囲に気を遣って暮らすのではなく、だれでも「アミーゴ!」といって友達になれるような南米での老後の暮らしを計画中とか。


私自身、通常の人よりは革新的な方だと自認していますが、それでも年と共に保守的になっている自分に気が付きます。かつては留学や海外滞在での取材もまったく違和感なく、好奇心の方を優先し、リスクなど全く考えずに海外に飛び込んだものです。しかし、家族も持ったいまでは、このAさんの言葉を聞いて、いかに自分が守りに入っているかと言うことに気付かされました。


Aさんは30年間で22か国で仕事をされてきた。海外を知れば知るほど、日本の特異さに気付かされるのだといいます。二点気が付きました。


本来革新的であるはずの私がこうやって保守的になっているのは、長い間外に目を向けていないという証で、大いに反省。


もう一点は、逆に、価値観と言うのは、年齢や環境と共に常に変化する可能性があるということの再確認。私自身、海外に留学するまでは、決して人前に立ってしゃべるタイプではありませんでしたが、留学時代での刺激的な友人たちとの出会いによって、価値観が激変しました。そのことを思い出しました。


これを読んでいるあなたがもしも高校生や大学生なら、ぜひ若いうちは海外に目を向けて、積極提起に異質なものを取り入れてほしいと思います。年齢と共に保守的になるのは仕方ないとして、色々見た結果保守的になるのと、なにも見ないで保守的になるのとでは、質が違います。


同質社会の中でいるのは楽かもしれませんが、先が見えます。異文化と交わり続けることで、無限大に成長し続けることができます。是非、外に目を向けてください。





いずれにしても、人の価値観に触れることは、自分の価値観に気付く、または再確認するいいチャンスであることは間違いありません。今回もとてもいい時間を持てました。






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