先日ある講演会で精神科医の石川憲彦先生のお話をうかがう機会がありました。
テーマは思春期の心の病というものでした。先生は問題が起こった時は原因を探すのではなく意味を考えることが大切だとおっしゃっていました。固定概念をはずして今起きていることの意味を冷静に考えること、本質を理解しようとする態度が大事だということでした。どんな問題でも何か意味があるから起きているのだと考えると、非常に前向きな気持ちになれるような気がします。
日々の子育ての中でも、些細なことが気になって、問題の原因を追究し落ち込んでしまうことが多々あります。問題をマイナスにとらえるのではなく、何か意味があるとプラスにとらえることで、育児は随分らくになる気がします。そのようなリラックスした状態で問題の本質を見つめることができれば、お互いの信頼関係も深まるでしょう。
そこまで考えて、ふと「本質を見つめるって具体的にはどういうことなのだろう?」という疑問が起こりました。子どもとは毎日一緒に過ごし、会話し、サポートしているつもりでいます。自分の子どもなんだから自分が一番彼らを理解している、私がこう思うんだから彼らも同じように思うはず・・よく考えるとそんな不確かなものを頼りにめまぐるしい日々を送っている気がします。
そんなに難しく考えることはないのでしょうが、ふと立ちどまって「自分の言葉がけがこの子にはどんなふうに響いているのだろう」「こちらが良かれと思って話していることが、この子にはどのように理解されているだろうか」と思いをめぐらす時間も必要なのではないかと思いました。忙しい日々の中で、時間をみつけて子どもの声に真摯に耳を傾ける・・この秋そんな時間を持てたらいいなと思っています。