アメリカの通信制高校である当校は、通学の義務はなくスクーリングなしで卒業ができるのがひとつの特徴になっています。
日本国内外にいろいろなバックグランドをもった生徒たちが在籍していますが、普段のコミュニケーションツールのひとつとして「振り返りシート」というシートがあります。
前回一緒に話した時から、今回までの時間をどのように過ごせたのかを一緒に振り返り、今後につなげていくためのシートとして活用しています。
その中に、100点満点で自己評価をする項目があり、このようなスタイルでの自己評価に抵抗のない生徒については、次のステップアップへとつなげるように点数をつけることで客観的な振り返りを行っています。
この自己評価の取り組みを通して、自己評価の背景にあるものを知りたくなり、「日本のこどもの自尊感情はなぜ低いのか」という本にヒントはないかと読んでみたところ、興味深い考察を得ることができました。
ここでは、QOL(Quality of life:生活満足度)という調査を行い、6つの項目について100点満点で満足度を図るアンケートを行っています。
ここで気になったのは、16歳の自尊感情という項目の結果が約35点、そして6つの項目すべての総得点としては約58点という事実でした。
児童精神科医である著者は最後の章で、「子どもとどう関わったらよいのか」について8つの考察を述べています。
その8つとは
1)子どもの話に耳を傾ける
2)子どもの自尊感情・発達という視点を持つ
3)まずはお母さんが、そしてお父さんも自己を肯定する
4)親の期待を押しつけず、子どもを肯定的に受け止める
5)子ども自身が目標、希望を持てるようにする
6)自尊感情は低すぎず、高すぎず
7)規則正しい生活習慣の確立を
8)大人がみんなで子どもを育む社会を目指す
です。
これらのことは、当校の理念であるコーチングを使った学習サポートに通じるところも多く、今後も意識していきたい大切な要素だと思いました。