日本史・世界史限らず、歴史の教科書は基本的にはつまらないです。もっと言えば、表面的な出来事しか書いていないという印象があります。仮に、教科書に書いている表面上の出来事をそのまま授業で話したら、間違いなくつまらないままになります。
正直特に好きでもなかったのにアメリカ史の担当になった私は、その出来事の中にある理由やストーリーを大事にしています。例えば、南北戦争まで、奴隷制は一般的には当たり前なことでした。しかし、奴隷制を辞めよう、または辞めてもいいという動きが出てくるのは一体なぜでしょうか。今回もこの件について、生徒に「なぜ」と訊いてみました。
一人の生徒が、蒸気エンジンの話を出しました。確かに蒸気エンジンの力と人力であれば、前者の方が強いです。経営的な観点からいうと、蒸気エンジンに投資します。奴隷はもういらないわけです。もちろん、人道的な理由もあります。単純に奴隷として働かせられるのをみて辛いと思うからです。後は、ハイチ革命(黒人奴隷による政治革命の成功)もあるでしょう。身近な黒人奴隷による反乱で命を落としたくないという理由も考えられます。
「なんで」とか、「自分ならどうする?」という話を訊いてみると、なるほどね~と思わせる回答も多いです。大事なのは考えるということです。私のアメリカ史の授業は、知識をつけるだけでなく、考える癖をつけるための授業でありたいと思います。
(担当:川崎純)
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