量り売りが基本ハノイ
30日(月)雨。ゴミ問題に関わって、私が言いたいのは、野菜、果物、魚などの不揃いを気にし、不必要に包装を求める消費者の態度を改めるということである。消費者の意識転換だけに期待するのは無理がある。政治が生産者にそれを義務付ける方向に進むことだ。
ドイツに学んだ方がいい。以前にも紹介した気がするのだが、改めてドイツのゴミ処理を見てみたい。ドイツではゴミ回収車が一軒一軒回る。日本はゴミステーション方式だ。これはどちらがいいとは一概に言えない気がする。NZもそうだが、週一回が原則だ。
湿度の高いアジアと欧州では事情が違う。もちろん有料である。古紙、ビン、あるいは古着などは別のコンテナが街の要所に置かれている。空き瓶は買い物袋でスーパーに持参して預かり金を返してもらう。(デポジット制)生鮮食料は原則不揃いで包装はない。
包装もない・タイ東北
前号で書いた91年の「包装廃棄物回避法」でメーカーや流通販売業者に対して、包装廃棄物の回収と再利用が義務付けられた。回収は日本のように行政ではなく民間のデユアルシステム(DSD)社(このために新しく作られた業者)が無料回収する仕組みである。
DSD社は各メーカーや流通・販売業者と契約し、年間の包装材の量と内容量によって使用料を払う。注目すべきはDSD社の料金が「リサイクルしにくいものには高い費用負担」を課すというもの。例えば、リサイクルしやすい瓶とプラスチックでは20倍の差がつく。
こうして市場の論理によって、リサイクルしにくい製品は締め出され、プラスチックは減少し、あるいは再利用が飛躍的に増大する結果を生んだ。この事態を促進させたのは94年に成立した「循環経済・廃棄物法」である。96年から施行されて絶大な効果を生んだ。
野菜もレジで量り売り・NZ
この法律はゴミを廃棄物として処理するのではなく、法制度によって強制的に再利用を義務付けたのだ。こうして大量廃棄を生みだす大量消費社会を抑制し、生産、使用、処理を一体とするゴミを出さない循環型産業社会を求めるという国民的コンセンサスである。
同じような法律が日本で可能だろうか。メーカーはこの時とばかりに政治献金の威力を発揮すべく政治家に圧力をかけて潰しにかかるであろう。原発同様、ゴミを出さない社会を作る、エネルギーの節約につなげるのだという決断とビジョンがあればできるのである。
ドイツでは効果はてき面で、ミュンヘンなどでは法施行前に比べ、半減の勢いだという。税金どころかDSD社と言う新しい事業を潤し、雇用も生んだということである。行政の努力だけではない。幼稚園から始まる徹底したエコロジー教育もこれを支えている。
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