一泊2万円のホテル
22日(火)晴。東南アジア的と言えばそれまでだが、この国のお店の休み方は日本とまるで違う。例えばレストラン・Uncle Chowは昨日の夕方店の前にA4の張り紙。「明日から30日まで休みます。31日開店。良いクリスマスと良い新年を!」いつもこうである。
これはまだ親切な方で、突然「Day Off」だけの店もあれば、張り紙さえしない店もある。日本式に考えると、この店危ないな、となるが当地ではそんなことはない。自分達も休むのだと。再開すればまたいつも通りのにぎわいに戻る。開店時間も気ままな店もよくある。
今朝は近くのホテルで2時間ほど読書。熊谷徹著「日本とドイツ」を読み終えた。さまざまな側面についての日独の比較を通して、改めて日本の政治に民主主義がなく、いかに庶民に冷たい政治であるかを思い知った。同じ民主主義を標榜しながら、この格差は何なのだ?
ロビーコーナーで遊ぶ子供たち
先ずはマスコミの違いからみてみよう。熊谷氏は25年間もドイツに滞在し、歴史認識、戦後賠償のあり方、教育制度、労働政策と国民の働き方、マスコミなどあらゆる側面から対比を試みている。その中で最大の違いは過去との対決の仕方、歴史認識だという。
先日のNHKスペシャルの中でナチスが高速自動車道路網をつくり、雇用を生み出すなど良いこともした式の話もドイツではタブーだと。日本の自由主義史観論者も時々これを持ち出し、日本は韓国併合中も道路や鉄道を敷き、雇用を生み出す良いこともしたと。
ドイツが過去と対立するためにマスコミ(特に公共放送)に対して、どれほど厳しいか。昨年3月25日ドイツ連邦憲法裁判所の判決(日本では報じられていないという)は第2ドイツテレビ局の人事権を握る管理評議会(NHKの経営委員会に相当するか)は憲法違反だと。
今日の昼食
判決で「政治家は公共放送局の人事について影響力を行使してはならない。公共放送局は国家の放送局になってはならず、政界から距離を保つべきだ」とし、政治からの独立性と放送内容の多様性を確保しなければならないと結論付けたと。アベとNHKの関係を見よ。
熊谷氏は元NHK記者でもあるが、「私は日本のあるテレビ局のデレクターが、第二次安倍政権が誕生した直後に、エネルギー政策に関する番組の方向性を自主的に修正したことを知っている。これは政治の介入ではないが、メデイア側が「空気」を読んだ自粛だと。
日本のメデイアがなぜ権力に弱いか。元共同通信社社長・原寿雄氏は「メデイアは戦争責任を問われることがなかった。新聞はNHKとともに題号も従業員もそのまま継続し、ドイツのように廃刊も、廃局もなく、天皇制と同様に戦前と戦後の断絶もなかった、と。