6日(木)晴れ。毎日雪だるまの予報なのに、時々青空がのぞく。今日は半日以上晴れている。テレビ番組は娯楽番組ばかりで見る気もなく、「男はつらいよ」を7巻ほど借りてきて見たり、東ちづる著「わたしたちをわすれないで」ドイツ平和村より、を読んでいる。
日中友好を考えるなら、日中間の戦争とその清算、歴史認識の問題を取り上げざるを得ない。日中間に軋轢があり、反日運動が中国で起こると、日本のマスコミは中国の反日教育がいかに偏向しているかを強調するが、日本の歴史教育の偏向振りは取り上げない。
あの戦争を正義の戦争だと主張する右翼がそれを言うのはわかるが、マスコミがこの体たらくだから日本人の歴史認識は改善されないのだ。東さんの著書にドイツの高校生の話が紹介されている。東さんが「生まれ育つ自分の国ドイツについてどう思うか」と聞く。
高校生は即座に「ドイツに生まれたことを恥ずかしいと思います。今を生きる私たちが反省し・・・」と答えたという。私の経験では日本でこういう意見を言わせた歴史教育や教師の偏向性が問われる。東さんがさらに「若いあなたがドイツの何を反省するの」
高校生は口を揃えて「ナチスドイツがしたことをです」そう言えば私のドイツ人の教え子の姉弟から同じ意見を聞いたことがある。第二次大戦について1年半は学ぶという。先の姉弟の言い方によれば「小さい頃からもう嫌になるまで、繰り返し学ぶ」となる。
ドイツは欧州の中で特別だろうが、他国でも中心は近現代史なのだ。シンガポールの中学生の歴史の本も全文読んだが、半分以上は近現代史でその中心は日本の侵略と占領時代についてである。ドイツの場合特に加害の歴史が中心である。日本は被害の歴史だ。
日本の中学校の歴史教科書は日清戦争以後をみても十数ページに過ぎないし、南京やシンガポール、東南アジア各地における虐殺事件や731部隊による人体実験、韓国併合以後の占領政策や強制連行等々、加害の事実については数行か記述しない教科書が多い。
私のように文科省が目安としている時間の何倍もの時間をかけて教える教師はいるにはいるが、圧倒的少数派である。まして、授業参観で保護者や教師に授業公開をする教師はさらに少ない。偏向教育批判を恐れるからだ。さし障りの内近世までの公開がほとんど。
時間切れで近現代史まで至らない教師も多い。こんな状況だから海外に出た若者が知識の無さや認識のおかしさを特にアジアの若者に笑われるのだ。彼らの責任ではない。教えたくない、隠したいと考える文科省や教育委員会、それに無自覚に従う教師の責任である。
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