指を上手に使うシンハラ族
26日(月)曇り。今日は午前中、新潟市の教科書センターに出向き、久しぶりに沖縄で問題になった育鵬社版と東京書籍版の歴史と公民の比較をやってきた。憲法、韓国併合、満州事変、太平洋戦争と沖縄戦。たったこれだけを比較するだけで2時間半もかかった。
昨日報告した視学官の現場への介入、読者諸氏はどう読まれたのだろうか。教育現場におられる方々以外はピンと来ないのではないか。少し説明させていただきたい。現在の教育委員会には教育行政に関わる職員の他に管理主事と指導主事と呼ばれる職種がある。
新潟の例を中心に報告するので、新潟の闇の部分もご承知いただいた上でお読みいただきたい。新潟には全国にも稀な「学閥」という闇の組織がある。旧新潟師範、高田(上越)師範、つまり戦後統一され新潟大学となりながら、二つの師範閥にそれ以外の大学出身者で構成される闇組織である。
1500mの高原で 新潟系を「ときわ会」、高田系を「公孫会」、その他の大学系を「新陽会」と呼ぶ。県内小中の教員およそ15000人中(今は14000人を切ったようだ)、大雑把にいえば、1万人がいずれかの学閥に所属し、5千人が無派閥。県内に750校余りある小中学校の校長・教頭のポストを完全独占している。
私のような私大出で無派閥の人間は管理職試験さえ事実上受験できない。(建前上はできる事になっているが)校長・教頭だけではない。県内には4つの教育事務所傘下に30の教育委員会があるが、そこに配置されている義務教育課長や管理主事、指導主事(教員資格保持者)のポストもも全て学閥が独占している。
それだけではない。驚くべきことに県教職員組合、10余りになるその支部の委員長、副委員長、書記長、過半数の執行委員も学閥の支配下にあるのだ。教育委員会交渉では声を荒げて交渉に臨む彼らは学閥内の研修会と称する飲み会ではボスに酒を注いで回る。大半の組合員はそのことを知らない。
高原の棚田 彼らは研修団体を標榜しているが、実はポスト、人事異動権を握り、退職後の天下り先(県内の私立中高校の校長ポスト、教育センターの嘱託主事、互助会や厚生財団、民間の旅行社の修学旅行、保険会社の勧誘員)などを確保する完全な利権集団と化している。
一般会員は管理職を望んでも成れる確率は10分の一程度なのに、高い会費を払って「人事異動に有利だからと信じて」所属している人も多い。海外日本人学校派遣も私が応募した当時はまだポスト化されておらず、邪魔者を追い払うようにして私は合格できたのだ。今は学閥に所属しなければ合格できない。
地元紙に政治的な投書をして、学閥のボスに始末書を書かされた校長を私は知っている。教室で基本的人権を説きながら、自分たちの会員には表現の自由も認めない。今は会員争奪のために新採用教員の強引な勧誘をやるし、出身大学も問わないなりふり構わない勧誘をやっているとのこと。県教育の癌と言ってもいい。
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