インターハイスクールでは現在、水曜日の午後に隔週で日本史のワークショップを行っています。
今月のテーマは、小田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康でした。
厳しかった戦国時代が終わりを告げ、戦乱のない江戸時代がはじまる激動の時代です。
そして江戸時代の偉人として取り上げた人物のひとりに、杉田玄白がいます。
1771年、ターヘルアナトミアを手に入れた杉田玄白は当初、オランダ語を理解できなかったものの、実際の解剖にてその図の正確さに感動し、翻訳を決心します。
前野良沢らとともに4年の歳月をかけ、1774年、解体新書として世に発表しました。
晩年になった玄白は、この翻訳のときの苦心談を蘭学事始として著書にまとめます。
「長き春の一日に明らかにできず、日が暮れるまで考え詰め、
お互いの顔を睨み合いながら、わずか数行の文章を一行も理解できない」
辞書もない時代、訳詞との身振り手振りの説明や、実際の解剖時に図を確認したりと、あらゆるリソースを活用し、ひとつひとつ訳を当てて行きました。
その玄白も1765年、オランダ語習得の困難さをしり、一度は断念したことがあるそうです。
不可能を可能にかえた玄白のこころざしの強さには敬意を覚えます。
当校には語学に堪能や生徒や、習得を目指して学習を続けている生徒が多く在籍しています。
語学をツールとして、その先にある知識を習得した玄白を学び、それぞれの生徒に語学を勉強する理由を聞いてみました。
・外国に目を向け視野を広げたい
・2つの言語に堪能になり、だれかとだれかをつなげたい
中には海外での生活が長く、日本語を勉強している生徒もいます。
・日本語が上手になって、日本語でもっと家族と話したい
生徒それぞれが違った理由や目標があり、それぞれのやり方で学習にとりくんいます。
時代が流れ、玄白の蘭学事始を世に紹介したのは、明治時代の福沢諭吉でした。