ロンドン郊外にオックスフォードがあります。大学町です。ネームスさんをここに訪ねたのは1998年頃です。彼女は、障がい者の自立を促すために、電子機器やスイッチなどのローテクといわれる機器をいかにして活用するか、という仕事をしていました。
パソコンの出現以来、代替コミュニケーションエイドといわれる障がいを補うための機器が登場します。AACと呼ばれています。ヨーロッパも北米も障がい者からお年寄りにいたるまで、手足が不自由になる人々の行動を広げるために機器が生まれました。余暇、仕事、学びに、今こうした機器は普及しています。
彼女が日本で機器の研修会をしたとき、通訳でお世話をしました。沢山の機器を持ち込んで会場で事例を交えて説明するのです。機器の利用が人々の足となり手となっていることが参加者に伝わりました。「機器を障がい者にあわせるのではなく、障がい者にあった機器を」というテーマを今も覚えています。