「理科離れ」ということがよくいわますが、私も小学校のころから、理科はよくわからない科目でした。実験は、言われた通りにやると、確かに結果は先生の言う通りになりますが、どうしてそうなるのか、ということの説明があまりなかったように思います。そうなるのだ、という結果を丸暗記して、かろうじてテストの回答はできるのですが、それ以上の興味には繋がらないし、生活の中で活かされることもあまりありませんでした。
大人になってから、子どもの自由研究に付き合って、レモン電池をつくる機会がありました。なぜこれが電池になるのか、子どもに説明をしてあげようと思ったのですが、どこをみてもなかなかその仕組みをわかりやすく書いてあるものが見当たりませんでした。実験パックを購入した際についていた説明書のなかに、やっとその原理が書いてある部分を見つけました。電子が離れやすい原子と電子を受け取りやすい原子があって、それによって電子の流れが起こる、このことをきちんと説明してくれれば、小学生でも理解が出来ると思うのです。
そして、理屈がわかれば次の発想も自然と浮かんできて、実験の応用も効くようになるでしょう。
例えば、より電子を手放しやすい原子でできた金属のほうが、大きな電流を流すのには適しているだろう、など。。。
このことを体験してから、私は理科や科学があまり好きではなくて興味もない、という生徒にこそ、是非一度自分で実験のテーマを決めて、どうしてそうなるのか、ということを徹底的に調べてみて欲しいと思いました。
わからないモヤモヤ感をそのまま放置して、とりあえず丸暗記する、こういう繰り返しが学習をつまらなくするのだと思います。
そんな思いをこめて、今週からサイエンスワークショップを始めました。自分が興味を持った実験を、みんなといっしょに出来るように準備して、どうしてそうなるのか、という説明までを生徒自身がやる、というのがこのワークショップの主旨です。
トップバッターは化学大好きな9年生のNさんでした。今回は実験ではありませんでしたが、Nさんはノートにたくさんの添加物についてまとめていて、コンビニのおにぎりなど、パッケージの裏にかかれている食品添加物について、詳しく説明をしてくれました。便利な世の中になっていますが、それによって日々の生活の中で沢山の添加物を摂取していることを改めて知ることができる、良い機会でした。 むやみに怖がる必要はないのですが、なかには後から発がん性物質として疑われるものもあり、消費者としては知識を持って、自分が口にするものを選べるようになっておくことが大切だと感じました。
科学の知識とは日々の生活に直結した、身近なものなのです。よりよい暮らしのために科学的リテラシーを活用できるようになってほしいと思いました。
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