杉原千畝氏のことを数回に渡って綴ってきました。遠いヨーロッパでの、それも戦後60年以上も前の出来事を掘り返してきましたので、多くの読者には馴染みのないことかもしれません。
ですが、一人の人ができることの偉大さを思い起こしたいのです。平和や戦争は国と国との出来事なのですが、人がなにかに信念を持ったり、魂をこめてやると国ができないこと、国を動かすことができることを示しています。杉原千畝氏が偉かったとか、勇気があったからだ、というだけでは理解できにくい行為です。
杉原氏を突き動かしたものとは、一人の命は重いということではないでしょうか。6,000人の命が救われたというのは統計であります。6,000人の中から虐殺を逃れた「ソリー・ガノール」という一人の魂の事実に家族の苦しみや喜びが伝わります。100匹の羊を残して、迷った1匹の羊を探す行為に意味があり、命への執念を感じるのです。
http://www.geocities.jp/lithuaniasugiharahouse/