高校生のとき、学校に黙ってアルバイトをやりました。親父の紹介で、荷物を搬送する小さな会社です。仕事の内容は、発送する品物を箱に詰め、縄ひもで梱包する作業です。当時、ビニールひもはまだなく、縄は米の副産物である「わら」で作られました。縄は弾力があり、ツボに入ると実に頑丈に梱包することができます。
縄での縛り方、結び方にはコツが必要です。結び方が上達すると、無駄な切れ端はなくなります。一度学ぶと作業が実に楽になり、無駄な動きをしなくなることに気が付きました。まだ段ボール箱もないころです。薄い木の箱にいれて物を梱包した時代です。
縄によって最初にもらった給金なのですが、なにに使ったのかはまるで記憶にありません。