あなたも知っている通りTOEICは英語力を測る試験です。
実際、英語力が必要なポストの応募条件として、TOEICスコアを設定している企業は多いです。
ところが、「スコアは800点台なのに、英語を話せない」という悩みをよく聞きます。
私自身、940点を取ったのに会話ができず、悩んだ時期がありました。
高得点を持っている人は、周りからも「英語ができる人」として期待されるので、うまく話せないと焦りますよね。
この記事では、
という疑問を解決します。
TOEICでハイスコアを取れるということは、英語の基礎が身についているということ。
この記事を参考に学習に取り組めば、英会話スキルも比較的早く上達しますよ。
※記事中の「TOEIC」は、「TOEIC Listening & Reading Test」を指しています。
TOEICが高得点でも英語を話せない理由
TOEICで800点以上を取っている人は、もう英語初心者ではなく、中級者・上級者のレベルに達しています。「TOEICが高得点」と言われるレベルですね。
それなのに、一体なぜ英語を話せないのでしょうか?
体験談|TOEIC940点でも英会話ができない
はじめに私の体験談をお話しします。
私は転職のためにTOEICを受け、940点を取りました。
面接でも英語力をアピールし、その結果、海外の取引先とやりとりをする仕事に就くことができました。
しかし、実際に仕事が始まってみると、外国人とのコミュニケーションがうまくいきません......。
文法や単語の知識はあるはずなのに、思うように話せないのです。
仕事の重要な場面で、外国人を相手に話をしようとしたのですが、英語がまったく出てこない......。
結局、帰国子女の同僚が成果をあげ、大きな差をつけられ、ガックリしてしまいました。
その後、悔しさをバネに猛勉強。記事の後半で紹介する「話せる英語が身に付く勉強法」を実践し、だんだん話せるようになりました。
今になって振り返ると、TOEIC940点でも英語を話せなかった理由は、次の2つです。
ひとつずつ説明します。
英語を話す機会がない
ひとつめは、それまで英語を話す機会がなかったこと。
転職前は英語を使わない仕事をしていたので、英会話は必要ありませんでした。
TOEIC対策としても、語彙力を増やすことや、リスニング力の強化に力を注いでいました。
スピーキングの試験はないので、話す練習はしなかったのです。
その結果、転職して突然「英語を話す機会」が巡ってきても、うまく対応することができませんでした。
いくら知識があっても、実践したことがなければ、できてなくて当たり前ですよね。
テレビで野球中継を見ているだけでは、ホームランが打てないのと同じです。
英会話に“正解”はない
ふたつめは、「英会話に“正解”はない」ということです。
TOEICでは、出された問題に対して、唯一の“正解”が用意されています。
パターンを覚えれば正答率が上がりますし、マークシートなので消去法で答えを選ぶこともできます。
一方、実際の会話はどうでしょうか?
機械のように決まりきった返事をするだけでは、会話が成立しませんよね。
良いコミュニケーションを取るには、その場の状況や、相手の表情など、言葉以外の要素も考慮する必要があります。
したがって、英会話スキルは、実践を積まないと伸びません。
TOEIC対策で学んだ知識だけでは対応しきれないのです。
でも当時の私は、英会話でも“正解”を探そうとしていました。
なので、相手から予想外の答えが返ってくると、混乱して、会話が止まってしまいました。
TOEIC対策の勉強は「話せる英語力」と関係ない?
では、TOEIC対策の勉強をしても、英会話には役立たないのでしょうか?
そんなことはありません。
TOEIC対策をしっかりしておくと、英会話スキルの上達も早くなります。
英語を話すための基礎づくり
TOEIC対策によって、英語を話すための基礎づくりができます。
英語の勉強には、知識を増やす「インプット」と、知識を使う「アウトプット」があります。
英会話上達のコツは、インプットをしっかり行い、その後アウトプットで実践すること。
つまり、まずインプットで知識を蓄えることが大切になります。
TOEIC対策は、文法を復習したり、単語を暗記したりなど、インプット中心です。
インプットをしっかり行うことで、英会話でアウトプットするための基礎を固められます。
典型的な会話パターンがわかる
実際の会話には、唯一の“正解”はありません。
ですが、「こういう質問をされたら、こういうふうに答えることが多い」という“典型的なパターン”は存在します。
TOEICの勉強を通して、この典型的なパターンを学ぶことができます。
たとえば、TOEICの公式問題集に載っている次の会話。
A: This store has been here for many years, hasn’t it?
B: I haven’t lived in this neighborhood long.
A: この店は長年ここにありますよね?
B: 私はこの辺りに長く住んではいないのです。
上の例の回答は、よく知らない場所で話しかけられた時に使えそうですね。
このように、実践の場では、典型的なパターンをそのまま使えることもありますし、少し応用すれば対応できることもあります。
会話に役立つテクニックもある
出題形式が決まっているTOEICには、効率よくスコアアップするためのテクニックがあります。
たとえば、
など。
こうしたテクニックは、英語力とは関係ないように見えるかもしれません。
ですが、英語を話す時に役立つテクニックでもあるんですよ。
例に挙げた「疑問詞を聞き逃さない」「発音が似ている単語に気をつける」も、相手の話を正しく理解するために大切です。
他にも、「疑問詞を聞き逃さない」「キーワードを見つける」などのテクニックを意識すると、会話のポイントをつかめます。
TOEICのために身につけたテクニックを、実際の会話でも積極的に活用しましょう。
「話せる英語力」を身につける勉強法
とはいえ、TOEIC対策だけで「話せる英語力」を身につけるのは難しいです。
なぜなら、TOEICのスコアアップには「話す練習」が必要ないから。
TOEIC対策だけだと、勉強がインプットに偏ってしまいます。
英語を話せるようになるためにはアウトプットも重要なので、次の勉強法を取り入れてみてください。
音読
「音読=英語を声に出して読むトレーニング」は、シンプルですが効果の高い学習法なので、習慣化をおすすめします。
英語を話した後、「頬やアゴが疲れた」と感じることはありませんか?
「英語を話すこと」に慣れていないと、いざという時に口が動きません。
日本語と英語では、話す時に使う筋肉が違うからです。
正しく発音できないと、相手に聞き取ってもらえなかったり、誤解が生まれたりして、会話がスムーズに進まなくなります。
日頃から音読を行い、口まわりの筋肉を鍛えておきましょう。
英語日記
私は英語をうまく話せなかった時、
と悩んでいました。
これを解決してくれるのが英語日記です。
日記を書くために、まず何かしらエピソードを探しますよね。
そして、辞書やネットで調べながら、言いたいことを英語でまとめていきます。
これを繰り返すと、自分だけの「英会話のネタ帳」ができあがるのです。
今日から毎日、英語で日記をつけてみてください。
時間が取れない日は、2〜3フレーズの短い文章で構いません。
書いた後、誰かに話すつもりで音読すると、効果がよりアップします。
オンライン英会話
英会話に“正解”はないので、場数を踏み、英会話に慣れることが重要です。
しかし、普段から英語を話す機会に恵まれている人ばかりではありません。
私も転職前は、「英語を話したい」と思いつつ、なかなか機会を作れずにいました。
そこで便利なのがオンライン英会話。
対面の英会話教室よりも安価ですし、時間や場所を気にせずレッスンを受けられるので、学習に取り入れやすいです。
私はBizmatesに登録し、毎日25分のレッスンを、1ヶ月連続で受けました。
おかげで、だいぶ英語でのコミュニケーションに慣れ、実際に外国人と話す場面でも緊張しなくなりました。
オンライン英会話でなくてもOKですが、最低週に1回は、英語で話す機会を作ることをおすすめします。
TOEIC対策をしつつ「話せる英語」が身に付く勉強法
実際のところ、「TOEICのスコアアップも目指しているし、英語を話せるようにもなりたい」という人が多いのではないでしょうか。
私も同じく、どちらも両立できる効率の良い勉強法を探していました。
そこで辿りついた二刀流の勉強法を紹介します。
リスニング問題の質問に答える
ひとつはTOEICリスニング問題を活用した勉強法。
流れてくる質問に、口頭で答えるトレーニングです。
実際の試験では、質問に対する答えの選択肢が問題用紙に印刷されています。
ですが、このトレーニングでは問題用紙を見ずに、自分で返事を考えて口に出します。
たとえば、PART2で次の質問が流れたとします。
Why is the history museum closed today?
(なぜ歴史博物館は今日閉まっているのですか)
この答えを自分で考えてみましょう。
「Because it’s closed every Monday.(毎週月曜日は休館だからです)」
「I’m afraid I have no idea.(すみませんが分かりません)」
などが考えられます。
そのあとで解答を確認してください。
ちなみにこの問題の解答は、「Because they’re hosting a private event.(私的なイベントを開催しているところだからです)」でした。
このトレーニングを続けると、英語を話す力が鍛えられますし、TOEICの出題傾向もつかめます。
長文の感想・意見をまとめる
もうひとつは、長文を使った勉強法。
英語の文章を読んで、その内容について自分の感想や意見をまとめます。
まとめる時は、書いても話してもOK。
できれば、英語日記と同じように、「まず調べながら書いて、次に会話するつもりで音読する」という流れがおすすめです。
このトレーニングで向上するのは、英語を理解する力と、自分の考えを表現する力です。
英語を理解する力はTOEICに、自分の考えを表現する力は英会話に役立ちます。
私は時事ネタを知りたかったので、アプリ「レシピー(POLYGLOTS)」で読めるニュース記事を使っていました。
TOEICの問題集を使う場合は、PART6のリーディング問題が使いやすいです。
まとめ|話すトレーニングをすれば英会話は上達する
TOEICで高得点を取れても、話すためのトレーニングをしなければ、英語を話せるようにはなりません。
逆に言えば、話すためのトレーニングさえすれば、英会話も一気に上達します。
高得点を取れる人は、TOEIC対策の過程で、文法の知識や語彙が十分身についているからです。
この記事で紹介した勉強法を実践すれば、比較的すぐに「TOEIC高得点で、英語もスラスラ話せる人」になれますよ。
すると自信がついて、仕事もプライベートももっと楽しめるようになるので、ぜひ頑張ってみてください。
短期間で英会話を身につけたい人へ
この記事で紹介したトレーニングをすれば、英語を話せるようになります。
しかし「今すぐ仕事で英語が必要だから、すぐにでも英語を話せるようになりたい!」という人もいるはず。
そんな場合は、ビジネス英会話に特化したスクールに投資をするのもアリです。
短期集中型のビジネス英会話スクールの受講生で、2〜3ヶ月でビジネス英会話ができるようになった人も多い。
TOEICが高得点なあなたなら、短期間で英語を話せるようになるはずです。
以下の記事では、ビジネス英会話習得におすすめのスクールを紹介しています。
少しでも気になる場合は参考にしてみてくださいね。
⇨ビジネス英語・英会話スクール厳選14校を徹底比較〜失敗しない選び方〜