友達と三日間ほど山登りへ。
山の選定やルートの決定などは最近は全て僕の担当。
数週間前に、ニューヨーク州の北方にあるAdirondackと呼ばれる国立公園の一部の地図を渡され、
「この地図に載っている地域内できついコースをよろしく」
と頼まれ、選んだのがDix Mt.
標高は1475mと奥多摩の山のように低いのですが、登り始めの地点が約600mなので、高低差は850m超となかなかおもしろそう。
メタボと診断されようが僕は当然このくらいの山は全く問題ないのだが、一緒に行く友達が少し心配。
体重100キロ近い旦那と、身長が150cmくらいなのに僕よりも重い(と公言している)その奥さんの二人。
彼らはこの山登りのために二週間前から一所懸命トレーニングに励んでいたようだが、トレーニング後には
「今日は頑張って運動したから、帰ったら自分へのご褒美にアイスクリームを食べるわ!」
う~ん、、それではあまり意味がないのでは・・・。
金曜日の早朝、NYを出発。
まっすぐ向かえば約5時間半のドライブだが、途中、友達夫婦が必須だと連呼する"熊退治のスプレー"を購入($50)するため遠回りをし、
(ちなみにDix Mt.周辺には熊はほとんど出ません)
結局Elk Lakeに着いたのは16時。
ちなみに、高速を下りて少し進んだ後の、湖までの舗装されていない道は私有地となるが、許可なく運転してよし(所有者と確認済み)。また湖のすぐ近くにロッジと無料駐車場がある。
登山口に設置されているノートに記帳をし、歩き始める。
目的地のキャンプ地(Slide Brook Lean-to)までは約一時間半のほぼ平坦な道のり。道は非常に分かり易い。数分間隔で見られる木に付けられた赤印を辿って行けばよい。
特に管理者が滞在しているわけではないが、川が近くにあり、超簡易トイレや、Lean-to(簡易式シェルター)、しっかり区分けされたテント場もあり、なかなか良い。
先日$30で購入したテントは思った以上に軽く、値段の割にはしっかり出来ている。大人二人が寝るにはかなり狭いが可能ではある。一人ならばザックや靴のスペースも含め十分な広さを確保できる。
年に数回簡単なキャンプをする人にはこれで十分ではとも思う。
米を鍋で炊き、簡単な夕飯を済ます。
すると、友達夫婦が
「熊が匂いを嗅ぎ付けて襲ってくる!!」
とあまりに連呼するため、就寝前に長い紐を使って食料の入った袋を高い木の上に吊るし上げようということに。
生の食材は何も持っていないのですが、ドライフルーツ、歯磨き粉に至るまでありとあらゆる匂いをする(?)ものを木の上にあげろとのこと。
さすがにインスタントコーヒーのスティックはどう考えても匂いを発していなくテントの中に置いておけばいいだろうと思ったら、
「それであなたが夜に熊に食われても知らないからね」
とのお言葉。顔が怖い。こいつらまじだ。
ははーっ、仰せの通りに。。

また、鈴(熊は鈴の音が苦手)を携帯しないと、数十メートル離れたトイレにも行かせてもらえない。とにかく熊に対して凄まじい警戒心。
さらには、彼らが言うには「食事に使った食器を新品同様になるまで洗わないと熊が夜中にやってくる」らしいので、小川で洗うことに。
そこそこに洗って済ませようとしたところ、背後で僕を"監視"していた旦那のチェックがあり、自分の食器なのにも関わらず再度洗い直しを命ぜられる羽目に。俺は食器洗いのアルバイトか。
たとえめったに人間の前に熊は現れないとしても、熊対策をするに越したことはないし、それ自体には賛成なのだが、彼らの様子があまりに鬼気迫っているのにはちょっと驚いたというか、なんというか。。
熊より彼らのほうがよっぽど怖かった。。
明日は山頂目指して本格登山です。
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