囲碁は息の長いゲームです。19*19の碁盤の上に黒石と白石を交互に置いていきます。最後にどの位の地をとったかで勝負をつけるのです。碁盤はしばしば小宇宙だといわれます。その意味は、石はどこに置いてもよいということです。しかし、碁盤全体を見渡すとき、かならず定石や打つべき個所があります。これを知っているかどうかが勝負の分かれ目となります。上手な人と下手な人が囲碁を打つときは、ハンディをつけます。これを置き碁といいます。例えば4段の人と2段の人が打つときは2段の人が黒石を2つ置いて始めます。最初の石の数は2対1なのが、中盤になると100対99となり、その差は縮まります。このように終盤になるとハンディはほとんどなくなり、あとは自分の実力が頼りとなります。碁盤全体を見渡すとか、碁盤全体で打つとはどんな意味でしょうか。それは、ある部分に厳しい打ち込みがあったとします。局面を見てから、その打ちこんだ石を逃がすか、あるいはめし取ることを考えます。この判断が大局観です。逃がしながら追っかけると相手の陣地を荒すことができます。また、めし取ろうとすると、周りに相手の石が迫り、結果的に小さく取らされてしまいます。いつの間にか相手の厚みができて、その後の攻撃がしにくくなるのです。厚みというのは石がつながっている状態のことです。上手は碁盤全体を見渡して打ちます。盤全体の状況から最善の着手を決めていきます。一方、下手は局部に目がいって、全体をの石の動きを見失うことが多いのです。このような打ち方をしていると、最初のハンディとしてもらった置碁の価値は消えてしまい、追いつかれていくのです。上手に追いつかれては下手に勝ち目はありません。 続きを読む