27日(木)雪。アメリカCA在住の教え子Sさんから、1月8日のウオールストリートジャーナル載ったエッセー「Why Chinese Mother are Superior」をめぐって、熱い議論が起きているとサイトを送っていただいた。著者は在米中国人2世Amy Churさん。
内容が教育に対する中国人と欧米人の家族の違いを取り上げている。日本の有様と重ねて紹介する。端的に言えば、中国人がピアノやバイオリンの国際コンクールや学力テストで世界トップクラスを独占しているのは、母親のスパルタ教育のおかげだという内容。
Amy(エール大学法学部教授)は子どには親が厳しく練習や勉強を強制しなければ英才は育たないという信念の下に子どもたち(2人の娘)に10項目の禁止事項を課す。テレビやゲーム、成績でA以下をとること、教科外の活動、ピアノとバイオリン以外の楽器等。
夫(白人)がそれを非難しても「貴方はいいお父さんでいればいい」と突っぱねる。エッセーには50人の欧米人母と48人の欧米に移民した中国人母の比較研究を引用し「70%の欧米人母が“学業での成功を子どもに強要するのはよくない”」と考えている。
こうも言う。「子どもがテストでAマイナスをとって家に帰ったら、欧米人の親は子どもを褒めるでしょう。中国人の親は「一体どうしたのか?」と聞き、何十枚、いや何百枚もの練習テストを用意して、成績がAに上がるまで子どもに付き合って特訓するでしょう」
「中国人の親は自分の子どもは親に対して恩があると信じています。儒教の教えにおける子どもの忠義と、親が犠牲になって子どものために多くのことをしてきたことが組み合わさってのことかと思われます。子どもは親に従い、親を満足させることで恩返しをする」
「私の夫ジェドは実際のところ私とは正反対の見解を持っています。『子どもたちは親を選べないのだ、生まれてくることすら選べないのだ。親が子供に無理矢理生きることを押し付けたのだから、子どもを養うのは親の責任だ。子どもは親に恩義を感じることはない』」
「欧米人の親は自分の子どもの個性を尊重し、子どもが情熱を傾けるものを続けられるように後押しし、子どもの選択を支持し、それを育てるような環境を与えます。中国人の親は自分の子どもを守るための最善の方法は将来のために準備してやり、できる限りのものを見せてやり、スキルや勉強の習慣を身につけさせてやることだと信じているのです」
アメリカで議論が沸騰しているのは頷ける内容だ。この見解の対立は欧米人と中国人に限らず、日本人の親や教師の中にも根強くあると思われる。その考察は次号に回したい。
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