今、学生に就活支援をしている。この時期だと、まだ具体的な志望業界や志望企業を決められないでいる学生も多い。君達高校生も遅かれ早かれ、就活を経験する。志望業界を決める方法は、幾通りもあるが、私は高校の皆様には、市販のテストなどに取り組むより、まずは工場見学を勧めたい。
だれもが小学校のころに、学校や子供会の行事で工場見学に一度や二度は行ったことがあるだろう。そのときは大した気づきがなくても、大学3年生になった今訪れると、きっと多くのことに課題意識を持てるはずだ。
お菓子工場に行けば、まず入り口で徹底した殺菌が行われる。指輪、ヘアピン、腕時計。身につけるものは一切排除。ゾーンが変わるたび、エアブラシやせっけんで手を洗う。施設を出るころには、手がふやけてしまうほど。
こういうこと一つ経験するだけでも、企業の安全意識に対する姿勢を感じ取ることができるだろう。消費者に商品を届けることの責任感を垣間見ることで、社会人になることがどういうことなのか、背筋が伸びるに違いない。
機械が好きな君なら、まずは工場に設置されている機械に目が行くだろう。工場というのは、どの商品をどのくらいの期間に、どのくらい製造するかを見極めながら、機械の設計をし、機械メーカーに発注する。
日本はスペースが狭いので、省スペースで効率的な生産ラインをどのように組むかが生産管理部の腕の見せ所だ。
また、需要の予測を見誤ると、品不足を起こしたり、過剰在庫を抱えてしまう。そうならないためにも、素材を仕入れる部署や営業などと密に連絡を取らなければならない。
工場見学すると、商品を企画したり販売したりすることの背景にある、企業のダイナミズムを感じることができる。一度それを経験すると、電車の中、家の中、学校の中、メディアの中、目にする情報、耳にする情報すべてに興味関心がわいてくるに違いない。「この商品(またはサービス)はどうやって開発されたのだろう」「これを作っている人には、どんな苦労があるのだろう」
そう、社会で働くことはとても楽しいことなのです。アットマークインターハイスクールでは、工場見学もバイトも学習の中に組み込むことができます。今のうちからそういうこと経験しておくと、数年先の就活がとても楽しいものになります。働くことはとても楽しいことなのです。