先日約20年ぶりに「源氏物語」を読みました。瀬戸内寂聴さんが訳したものです。年齢のせいか?以前より味わい深くよむことができました。
主人公の光源氏は、何事にも秀でた人物でありながら、我慢がきかず失敗もする姿がいかにも人間らしく、読みながらつい笑ってしまいます。源氏以外の登場人物もとてもいきいきとしていて非常に人間味があり魅力的です。私たちがよく苦しめられる?嫉妬やうっかりミスもおおいにでてきます。ある女性の嫉妬に比べたら私の嫉妬なんて可愛いもの、と思えるかもしれません。
また、平安の人々の「美」を大切にする生活も学ぶところが多々あります。昨年日本国籍を取得した日本文学者のドナルド・キーン氏が日本に興味をもつきっかけとなったのも「源氏物語」だそうです。当時はナチスが台頭してきた時代で、どうしたら戦わずにナチスをとめられるのか悩み続ける中、源氏の物語が心の救いになったとキーン氏は語っていました。
東京インターハイスクールはアメリカの高校ですが、日本の歴史や古典を学ぶ科目も必修となっています。生徒たちは古典というと敬遠しがちですが、自分と同じ人間が描かれているということを感じてほしいなあと思います。時代は遠くても今の自分につながるものが必ずあるはず。そして、当校ならではの自由な感覚で古典を楽しみ、日本人が古くから大切にしている美意識も同時に感じられたら、素晴らしい古典の学習になると思います。
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