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衝撃のお料理教室(6)

 
 
さて 次回は シーフードのアジア風スープを作りますと
 
料理教室の先生が告知した瞬間、叫び声をあげたのはキャンディスだった。
 
 
「やめて 無理! エビアレルギーなんだからっ!!」
 
 
 
食物アレルギーの人は多い。
 
 
日本だと 卵や乳製品、それに小麦などが多いようだが
 
アメリカで よくあるのが ピーナッツ。
 
 
娘の小学校では もはや ナッツ類は教室の中に持ち込むことも禁止されていて
 
アメリカ人にもっとも人気である ピーナッツバターサンドイッチや
 
ナッツ類のお菓子(スニッカーズなど)を見ることはなかった。
 
 
そして 大人で時々聞くのが エビアレルギーだ。
 
 
講師のシンディが 「じゃぁ エビは取り除くことにすればいいかしら?」
 
というと キャンディスは きっとシンディを睨みつけた。
 
「エビだけじゃなくって シーフード全般にアレルギーな可能性もあるから
 
エビを取り除けばいいってもんじゃないわね」
 
「でも シーフードのスープから シーフードをとってしまったら
 
まったく別のメニューになってしまうわ・・・。
 
シーフードのスープは シーフードの出汁が決め手で とってもおいしいので
 
是非 このコースで紹介したかったのだけど・・・・」
 
 
しかし キャンディスは 私がアレルギーなものをメニューに加えるなんて
 
信じられない!といわんばかりの権幕で あくまでも
 
メニューそのものを変更すべきだと言わんばかりだった。
 
 
 
そこで ふと 我々は 気づいたのですが・・・・・
 
 
キャンディス、 あんた 最初から いたっけ?
 
 
その日は すでに何回目かの授業だったのに コースの途中で
 
いきなりやってきて この自己主張ぶり。
 
 
しかも 容姿で人を差別するのはよくないことはわかっていても
 
指摘せざるをえない 「巨漢」。
 
 
他のアメリカ人の生徒は ほとんど 他人のフリ、をしていたけれど
 
なぜか こういう自分勝手で 周囲の空気をまったく読まない
 
自己チューアメリカ人って すごく太っている人が多い。
 
 
その上 キャンディスは登場するなり 自己紹介もそこそこに
 
いかに自分が料理が好きか、
 
いかに 自分のグランマのレシピがすごいか、
 
グランマのクッキーレシピは世界一、などと
 
「おまえは 小学生か!?」と 突っ込みたくなるような
 
自慢自慢のオンパレード。
 
 
で、そんな素敵なレシピを引き継いだ料理上手なお嬢様が
 
なぜ お料理教室に????
 
 
 
とにかく 最初から あやしいにおいがプンプンしていたキャンディスが
 
やはり やってくれた、というのが 誰もの印象だっただろう。
 
 
結局 シンディは 「じゃぁ 別のメニューを考えるしかないわね」と
 
折れていたけれど
 
はっきり言って キャンディス。
 
 
 
 
あんたが試食しなければ いいんじゃね!?
 
 
 
 
でも こういうのって 本人から言いだしてもらわないと
 
周囲からは 誰も言えないのが 辛いところ。
 
 
あぁ 楽しみにしていたシーフードスープがぁ~~~と
 
誰もが落胆していたけれど
 
その次のレッスンに行くと 全ては 解決していた。
 
 
なぜなら・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
キャンディス レッスンに来ず。
 
 
 
 
こういう終わり方も アメリカ人ジコチューの典型か?
 
さんざん 周囲を振り回しておいて 結局 元の木阿弥状態。
 
 
まぁ シンディは こういうこともあろうかと予測していたかのように
 
普通に シーフードスープの調理をはじめたので
 
我々としては 当初の予定通りで 願ったりかなったりだったのですが。
 
 
 
そして このシーフードスープ、 シンディのこれまでのラインナップからは
 
考えられないぐらい 普通においしかったです。
 
 
エビや貝柱、ムール貝といったシーフードを マッシュルームやたけのこと煮込み、
 
ココナッツミルクを加えたもの。
 
 
これは トムヤンクンとも違うし ありそうでなかったメニューだと思い
 
さっそく エスニック料理好きな夫に 自宅で再現してふるまったところ、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「 あんまり おいしくない。」
 
 
結婚して いろんなあやしい料理を作ってもらったけど
 
今までで一番 変な味・・・・と言われてしまった。
 
どうやら ココナッツミルク味というのが ちょっと嫌だったらしい。
 
(グリーンカレーとかは好きな人なんだけどなぁ)
 
最後は 極め付け。
 
 
 
 
 
 
「普通のアジア料理がいい」 と
 
身もふたもないような事を申しておりましたとサ。
 
 
 
実際 シンディには ここで紹介した以外にも
 
いろんな品目の料理を作ってもらい 味見をしたけれど
 
やっぱり アジア人のわたしたちからすると 「フュージョンなんて いらん」と
 
思ってしまう。
 
変に洋風にアレンジを加えるよりも アジア人には アジアのそのままの味の方が
 
おいしいと感じるわけで・・・。
 
 
せっかく 新しい料理の世界が開けるかも、と期待して参加した
 
料理教室だったが
 
かえって 自分のアイデンティティーは やっぱり 「アジア」。
 
そして アジアめし 最高!という事を
 
改めて認識しただけだった。
 
 
 
まぁ 寄り道しないと 自分が見えないこともあるっていうしね。
 
いろんなビックリ体験もあり 衝撃メニューもありで
 
参加者の個性も豊かな とっても楽しいお料理教室でした。
 
 
さて 次回は おまけ編。
 
 
よかったら また 来てね~~~。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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