バンクーバーの小学校には、
肌の色が違ういろいろな人種の子供たちがいる。
中には、最近カナダに移住したばかりの子供もいるけど、
大多数はカナダで生まれた子供たちだ。
こんな環境で育った子供たちは、
肌の色が違う人を、“外人”と見る習慣をもっていない。
お互いにカナダ人同士で、違和感なく一緒に机を並べている。
ところが、こんな子供たちが、異文化の狭間に立たされて、
その軋轢(あつれき)から大きな不幸に陥るケースがある。
そして、皮肉なことに、その軋轢が他人との間に起こるのではなく、
自分の両親との間に起こる場合がある。
例えば、バンクーバーでよく話題にのぼるのが、インド系の家庭だ。
インドの文化では、男女関係にいろいろと決まりがあるらしく、
自由に育ったカナダの子供たちには理解できない。
そこで、親子が対立することになるわけだが、
ひどいケースでは、他宗教の男性と結婚しようとした娘を
父親が殺すことすらあった。
そこまでひどくはないにしても、
異文化に対する親と子供の感覚の差が人間関係を歪める例は、
インド人に限らず中国人にも日本人にもある。
カナダは世界から移民を受け入れている国で、
異なった文化が織り成すモザイク社会を誇りとしている。
それはあくまで、カナダの伝統文化を尊重することが基本なのだが、
あまりに寛容で自由なカナダに住むと、
その基本を忘れてしまう人たちがいるようだ。
カナダの伝統文化にだって直したいところは沢山あるけど、
カナダに移住する人は、第一に、カナダが最高に好きな人であってほしい。
カナダが、異文化に占領されてしまうなら、
カナダがカナダではなくなってしまう。
赤丸天
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