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衝撃のお料理教室(1)

 
 
新シリーズ(勝手に命名) を始めます。
 
 
その名も 「衝撃のお料理教室」。
 
 
 
実は 住み始めたばかりの頃 NYで 地元の人が習うようなお料理教室に
 
行ってみたら どんな感じだろう?と 興味がわきまして
 
週1回、全4回ぐらいの ショートコースに通ってみたのです。
 
 
 
はじめからお料理を習いたいと決めていたわけではありませんでした。
 
ただ 子どもの学校のお迎えの時間に間に合うようなクラスを探すと
 
自然に あるお料理コースにたどり着いたのです。
 
 
 
 
その名も 「Asian Fusion Cooking」
 
 
 
 
アジアとアメリカやヨーロッパの料理を融合させた
 
講師のオリジナルコース。
 
 
アメリカ人が作るアジア料理って どんなのだろ?
 
しかも 普通のアジア料理ではなく フュージョンって 何?と思い
 
特にお料理好きというわけではなかったのですが 好奇心から
 
人生で初めて お料理教室なるものに 申し込んでみたのです。
 
 
 
 
しかも 場所は 講師の自宅と書いてあります。
 
え~っ どんなお宅なのかしら?
 
でも あまり遠かったら困るなぁ なんて思いながらも
 
開講を 心待ちにしていました。
 
 
 
 
 
 
先生のご自宅は 意外にも 我が家の近所でした。
 
それも 高級住宅が並ぶ 閑静な通り。
 
 
 
 
道路から 指定された住所の前で ウインカーを鳴らすと
 
そこは 小高い丘のようになっており
 
その上に 横長~い 豪邸が たっています。
 
 
 
うわぁ すてきなお家!
 
 
 
こんな豪邸に 毎回 入れてもらえるだけでも 儲けもの?
 
わたしは ゆっくりと ドライブウェイを上がり
 
裏玄関にすでに何台か停めてある車に並んで 駐車しました。
 
 
 
中央にある 表玄関は 屋根付きの柱がそびえ
 
両開きの 重厚な木の扉に ステンドグラスがはめ込んであります。
 
入ると 吹き抜けのホールに ゆったりとしたカーブを描く階段。
 
まさに アメリカの豪邸のイメージそのままのレイアウトです。
 
 
 
一方 家の端にある内玄関は 家族や身内が普段使うものですが
 
日本の昔の住宅にあった勝手口のような粗末なものではありません。
 
 
 
入るとまず コートかけと ベンチソファがあり 
 
壁には かなりの幅のクローゼットがあって 
 
お客さんから預かったコートや上着が
 
かけられるようになっています。
 
 
 
アメリカの中流以上の家では こういう荷物やコートを置いて
 
家の中に入るための準備をする空間があるので
 
日本の家のように みんながとりあえずリビングに駆け込んできて
 
そのままランドセルを放り投げたり 脱ぎっぱなしのコートを
 
ソファーにかけたままにするということが ないんですよね。
 
 
あぁ こういう空間が 日本の我が家にもあればなぁ、なんて
 
うっとりしながら 私も コートを脱ぎました。
 
 
 
 
こんにちわぁ~
 
 
 
 
先生は 奥につながるキッチンで すでに到着している生徒さんたちと
 
お話している模様。
 
 
 
どうぞ こちらに来て!
 
 
 
 
廊下を歩いて キッチンにつくと
 
そこは まるで フードチャンネルの撮影に使えそうな すてきなキッチン。
 
 
冷蔵庫は 巨大なものが2つも並んでいます。
 
 
部屋に沿って コの字に配置されたキッチンは 明るく
 
 
20畳ぐらいはありそうでした。
 
 
真ん中には 作業用のアイランド。
 
 
なんとその下には 飲み物専用の小さな冷蔵庫があり
 
アイランドのコーナーには 手洗い用のシンクもあります。
 
 
さすが 料理の先生のキッチン。
 
 
 
 
キッチンの先には 豪華なダイニングセットがあり
 
 
中央には 大きな大きな花瓶に たくさんの花が飾ってあります。
 
 
「うわぁ 素敵なキッチンですね!」
 
 
「ありがとう」
 
 
 
良く考えれば このぐらいのキッチンサイズは あの辺の豪邸にしてみれば
 
特に ゴージャスというわけでもなかったのかもしれないけど
 
我が家の シケシケのキッチンと比べると 大違い!
 
 
 
いくらNYの高級住宅街に住まわせてもらっているといっても
 
日本人が住んでいる家の中は とても 質素だ。
 
 
特に キッチンの設備の悪さは 悲しくなるぐらい。
 
 
我が家のキッチンも 小さくて 古くて おまけにガスコンロではなく
 
電熱線。
 
IHのように見えるが 中には 蚊取り線香のような物体が
 
入っており これがまた 火力が全然なくて
 
お湯を沸かすのにも 「まだ 沸いてないんかいっ!」と
 
すっかりお湯を沸かしていたこともわすれて 
 
思わずヤカンに突っ込んでしまうぐらいの 超とろ火。
 
炒め物は どんどん シナシナになっていくし
 
何を料理しても まずくなるし、
 
やっぱり料理は火力が命なんだなぁと 
 
自分の料理の腕を棚上げして 
 
 
アメリカ人のキッチンへのこだわりのなさを嘆いていたのですが
 
実は そんなショボショボの設備の住宅は 日本人向けの賃貸ぐらいで
 
あの辺の豪邸では 料理なんかしない主婦の家でも
 
そこそこの設備と広さのキッチンはめずらしくないことは
 
何年か暮らし アメリカ人の友達の家に いろいろと入れてもらえるようになって
 
あとからわかったんだけど。
 
 
 
 
 
 
さて、 キッチンに向かって一列に並べられた椅子に座る
 
生徒さんたちも 個性的だった。
 
 
この中から お友達ができるかしら?
 
 
 
こうして 衝撃のお料理教室は スタートしたのでした。
 
 
 
 
 
つづく。
 
 
 
 
 
 

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