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NO2032 原子力保安院の罪悪

セビージャのスペイン広場
アルハンブラ宮殿 10日(日)野田政権が将来のエネルギー政策の基本方針を急いで示そうとしないのは、何か意図的であるように思えてきた。事故からすでに1年3か月も経ている。管内閣が脱原子力の方針を示したのだから、野田政権はその具体的な工程表を示すのが任務だろうに。

 明らかに世論の動向を見ながら、ほとぼりの覚めるのを待っている気配だ。原子力委員会、原子力安全委員会や保安院のメンバーの入れ替えには一切手を付けようとしない。だから、事故を起こした当事者が勝手に動きだし、おかしなことが次々と起こっている。

 原発の寿命40年の延長もそうだし、今まで生活保護費を受けていた家族に賠償金が入ったことを理由に打ち切ると通告したりしている。今まで除染を進めて、数年以内には自宅に戻れると言っていたのに、今度は避難指示区域の人々に10年後も帰還困難18%だというのである。

スペイン広場
アルハンブラ宮殿 私にはこの見通しさえ、甘いような気がする。そもそも不確かな10年後に18%の人々に帰還できると言われても戻る気になるだろうか。故郷で生涯を終えたいと、申し出るお年寄りが出るだろうが・・・。家があるのに戻れない・・何とも残酷な話である。

 そもそも震災前の06年3月、国際原子力機関(IAEA)が基準の見直しを示したのに合わせ、内閣府の原子力委員会が防災指針の改訂に乗り出した。半径8~10キロを廃止し、半径30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域に拡大することが検討課題になった。

 安倍晋三内閣の時で、経産大臣は現在自民党の原発推進派の急先鋒甘利明だ。その配下にあった当時の保安院は「社会的な混乱を惹起し、ひいては原子力安全に対する国民不安を増大する恐れがあるため、検討を凍結していただきたい」と申し入れていたのである。

建物内廊下
宮殿内廊下 この事実は朝日新聞が情報公開請求した文書で明らかになった。(今年の3月12日夕刊)国際基準すら守ろうとしない保安院である。その時の理由が「IAEAの正式な決定とわが国の防災指針の見直しは・・リンクさせるべきものではない。貴課の不注意で遺憾」

 保安院は何様なのか。当然経産大臣の決裁を得た文書であろう。結果、防災指針の見直しは行われなかった。従って、これも震災前に原発から10キロ以上の南相馬市が国に対し、原発事故への防災計画を立てたいと申し入れたが、「住民の不安を煽る」と拒否された。

 この保安院のふざけた拒絶が今回完全に裏目に出た。仮に30キロに改訂されていれば、住民は避難、屋内退避ができ、甲状腺被爆を防ぐ安定ヨウ素剤が服用できた可能性がある。今回の事故で30キロ圏に拡大されることになったが、遅い。保安院を許せない理由だ。

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