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(52) 事件

あの事件は、それからすぐに起こってしまったのだった。


みみを学校まで迎えに行った私は、帰り道でみみに指を見せられた。指には絆創膏が貼ってあったのだけど、みみはそれを取り
「ママ、今日Cがはさみでみみの指を切ってきたの。」と言ったのだった。
みみは、それはわざとだったと言い、驚く私の様子を見ているうちにわざとではなかったかもと言い直した。




私は家で夫と話し合い、結局、、まさかわざとではないのじゃないかという話をしていた・・・。


しかし、、、翌朝、先生にその話をしに行って「わざとなのですか?」と言った私に先生は
「そうです。彼は・・・わざとやりました。偶然気ってしまったのではありません・・・。」と言った。
私は・・・驚いた・・・。6歳の男の子がこんなひどいことを・・・。


学校内ではこのことを深刻に受け止めて、彼は校長室で注意を受け、すぐに両親も呼び出して注意したとのことだった。


学校開始のチャイムが鳴って、先生は深刻な顔をしたまま学校に入っていった。立ち尽くす私・・・。
呆然とする私に、横に立っていたクラスメイトの女の子のママが
「どうしましたか?」と聞いてくれた。
「Cっていう子が・・・みみの指をわざとはさみで切りました。」
「ああ、、、Cね・・・。あの子はずっとそうなの。悪くてどうしようもないの。みみだけにじゃないのよ。みんなに悪いことばかりしているの・・。でも・・そんなことするなんて、、ああ、全く・・・。」
幼稚園の頃からCを知っているそのママはそう言った。みみだけにではない・・・その言葉はほんの少しだけ気持ちを救ってくれたけど、その日は眠れなかった。

みみだけにではない・・・と言われたも、それでもどうしてもやっぱり日本人だからではないだろうかという気持ちはよぎる。
翌日も学校に行ったみみが心配でならなかった。そして、迎えに行った私にみみは言った。

「Cは今日もはさみで切ろうとしたの。」

・・・絶句・・・

私は・・・どうすればいいのだ?!2人で日本に帰る?それともパリに行く?3人では無理だ。夫は血の滲むような努力をしてきたのだ。2人で帰るのだ。日本に2人で帰ったらパパにはほとんど会えなくなる。じゃ、パリに2人で住んで、、週末パパにパリに来てもらう?
でも・・・それが解決法なのだろうか?日本に行ったら、パリに行ったら、暴力的な男の子は絶対にいないのだろうか。
いや、そんな事は無い。みみの行っていた日本の幼稚園だっていっぱい問題を抱えていた。
補習校のあるディジョンに行くというのも考えたけれど、補習校の1人のママは
「うちも幼稚園に迎えに行ったら目の横にすごいケガしていたからビックリしたら、男の子が棒でやったって言われて・・・。」と言っていた。
例え今、どこかに引越して学校を変えて良い状態になったとしても、そこにそんな子が転校して来ないと言えるのか。 来たらまた引越すのか。
そんな思いが頭を駆け巡り、眠れなかった。
夫は学校にもう一度抗議の手紙を持って行き、、、そんな時にたまたまみみの学校の様子はどうかと聞いてくれた夫の会社の社長(仏人)も教育関係者を通じて学校に抗議の電話を入れてくれた。

この事件は学校でも知られていたようだった。

みみは、上級生の女の子たちに囲まれて、大丈夫だったかと沢山心配してもらったのだと言っていた。


















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ブログ紹介

ロンドンとフランスの小さな街で子連れ駐在生活

http://ameblo.jp/londonbesancon/

駐在家族の多いロンドンからフランスのブザンソンに引越し。街で唯一の日本人(日日)家族になってしまった!閉鎖的な街に馴染んでいくまでの努力?日記。

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