最近の楽しみは、ファンタのパイナップル味を飲みながら夜中に一人で黙々とペンキを塗ること。
そして塗り方が下手くそなせいで次の日に親方(ビジネスパートナー)に怒られること。
先日はブラシでちょこちょこ塗るのがめんどくてローラーで一気に塗ったら、余計なところにもペンキが付いてしまって、「あーあ」と。
親方はどちらかというと言葉数が少なく怒鳴ったりもしませんし、かつ殴ったりもしてきませんし、しかもしばらくしてふと見ると僕の失敗箇所の尻拭いを黙ってしてくれていたりもするナイスガイ。
その姿を見ていると、僕の方も謝るというよりそのもう一つ先をいかないと申し訳ないと思うのか、適当に言葉にして表現してみると、それがなかなかおもしろい結果になったりします。
まぁ言い訳かもしれませんが、僕がプロがしないような明らかな素人の失敗をすることでふと立ち止まるきっかけとなり、二人でその崩壊した現場を前にして話し合いが始まることで最終的に初案より良いものができるということが今のところ多いので、これはこれでいいんじゃないかなとプロセスに時間はかかりはしますがポジティブには捉えています。
ただまぁ僕は色々と無知なので、特にその実行に必要な資材などに関して無茶苦茶な要求をすることがあるのですが、それも頭を捻るとポンと目の前に現れてくるんですよ、不思議と。
例えばね、いや、これ本当に不思議なんですが、親方が、
「俺って欲しい欲しいと願っているとたまに目の前にそのもの自体が落ちていることがあるんだよね」
なんて言っていて、一体この人は何をわけのわからんことを言ってんだかと思っていたところ、
「今日歩いていたらこの板が落ちててさ~」
とか言いながら、数日前にちょうど話していたくらいの大きさ・太さの資材をひいひい言いながら担いで出社、なんてことがもう何回もありました。
アメリカ人はすぐ物を捨てるので、まぁ大概の家には(金持ちであっても)路上で無料で拾ってきたものがあるのは確かですが、それにしても彼ほどすぐ見つけられる人も珍しい。別にごみ集積所に行って探してきたとかでもないですし。
しかもさらに彼がすごいのは、路上以外のところでも色々と欲しいと願ったものを無料で手に入れてしまうところでしょうか。
これは十数年前の話らしいですが、親方がNYに来たばかりの頃ベースを欲しい欲しいと願っていたらたまたま知り合った黒人女性が良いものを持っていて、「セックスしたらあげるよ」ということで実際にセックスしたら本当にくれたとのこと。
親方は本職はベーシストなのですが、商売道具までそんな風に手に入れてしまうというのも、こりゃなんだか偶然というものを越えているんじゃないかと思いますね。
その話を聞いた当時は面白い話だなぁという程度だったのですが、後々振り返ってみて、ふと、
あぁこの人はそういう星の下に生まれた人なんだなぁ、とそういう観点で彼の今までの人生を見るようになった途端、自分と彼との現在の関係 (出会いや二人の現在の日々の活動など)において色々と不明瞭だったことがぱっとクリアになりました。
あ、でも現金だけはいくら願っても落ちていないとのことです。残念。
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