今年の夏 NYに行ったとき
友人の家で おしゃべりしていると
新聞の束の上に 雑誌があったのが目に留まった。
彼女が 年間で定期購読しているので 配達されていたのだが
表紙が印象的だったので 写真に撮っておいた。
The Economist という経済雑誌で
「日本みたいになっていいのか？」 という特集が組まれていた。
内容は バブル崩壊後
これといって有効な政策を打ち出せないまま ずるずると来てしまった日本は
今も 経済不振にあえいでいる。
オバマは 選挙戦では いろいろ言っていたくせに いざ 大統領になってみると
たいした政策を打ち出すこともできず 経済が悪化している。
アメリカも このままでは 日本の二の舞になってしまわないか？というのだ。
といっても オバマ大統領は 実現させている政策もたくさんあるし、
国民皆保険では 苦労しているものの
実現にむけて努力していることは 誰もが知っている。
経済政策についても 何らかの手を打たずにはいられない
ひっ迫した状況にある。
それが 経済を好転させるか 悪化させるかはわからないにしても
何らかの方策は 打ち出すことだろう。
一方、 優柔不断のお手本と言われてしまった 日本は どうか。
この記事の指摘する通り ずっと 問題を先送りし
人格攻撃で 次々と政治家を退任に追い込み
肝心な政治的判断を 先延ばしにばかりしてきた。
今日の昼のニュースでも 野田総理が
昨日 TPP参加へ、と 決めたかに見えたのに
あまりの反対騒ぎにビビったのか
参加表明を1日延期する、と 決めた。
（ 参考ニュースは こちら ）
最近 大きな問題が起きると 芸能人のスキャンダルばりに 逃げるか、
判断を延期する”決定”ばかりだ。
コメントを求めても
「しっかりと 考えていきたい」 とか
「じっくりと みなさんのご意見をうかがっていきたい」とか
意味不明な コメント。
民意を反映させるのは大切だが 総理や国会議員がこれでいいのか？
判断するのが 政治家の仕事なのに
その「判断」が できないのでは 困る。
こんな政治では 国民の方が 路頭に迷ってしまう。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
大企業の会社員をしていて 最も困ったことは
判断できない上司を 持つことだった。
特に 子供が生まれてからは 直属の上司の判断力が
子どもの保育時間を 大きく左右した。
優秀な上司であれば
打ち合わせで ささっと こちらの持っている内容に目を通し
「ココと ココと ココを 変更で ココを削除。 ココを再取材」と
とにかく 話が早い。
こちらは すぐに次のステップに進めるし
すぐにでも帰って 早めに 子供のお迎えに行ける。
誰もが ハッピーになれる 最高のケースだが
こういう上司は 現実には 少ない。
これが 判断力のない 上司の場合・・・・。
まず 打ち合わせが長い。
こちらの持ってきた内容を 見ている時間が すっごく 長い。
書類に目を通している間 寝ているのか？と 疑いたくなるほど。
いい加減シビレを切らし 「どうしましょうか？」と 判断を仰いでも
「う～～～ん」と 固まったまま 時間だけが 進んでいく。
（無言の業）
しばらくして やっと 口を開いたと思ったら
「 あ～した方がいいかなぁ～ いや こ～した方がいいかなぁ～ 」と
まさかの 自問自答。
しかも いっこうに 答えにたどり着かない。
「う～ん、 難しいなぁ どうしようかなぁ～」
知りませんがな。（心の声）
時計を見ると もう保育園は 間に合いそうにない。
トイレに・・・と 中座して 急きょ シッターさんを手配する。
これは 長くなりそうだから 発注は 2時間で。
ところが、トイレの個室で こそこそ電話をして 戻ったら
肝心の上司は まだ 紙を睨みつけながら うんうん やっている。
あなたも ウンコ行きますか？？
（あくまでも 心の声）
ようやく 本題がはじまるかと思いきや
些細な個所を取り上げ
「 そういえば ここさぁ～」と 始まる。
大きいところが 判断できないので 小さい箇所で 時間稼ぎ。
っていうか わたしには 時間の無駄！
です、を ます、に直すとか どうでもいいことで 矢のように時間が過ぎる。
大人になると 楽しくないことでも あっという間に時間がたつのがおそろしい。
おいおい。
そんなことをしているうちに 緊急2時間保育でも 間に合わなくなりそう！
こうなりゃ わたしが 判断したろっか！！
本当に そう叫びたかった。
だけど サラリーマンっていうのは 上司の決裁が 絶対必要なワケで。
いくら正しい事でも 自分ひとりで 勝手にやっちゃだめなのよ。
だから 辛抱強く 待つしかない。
再び 心の声が 叫ぶ。
頼むから 早く 決めて。
何でも 言ってくれたら その通りにやるから・・・。
手を合わせて 切実に願うが
何時間たっても 判断らしい判断は 示されないまま。
せめて 続きは 明日に・・・とか 明日までに考えとくから
君はもう 帰っていいよ、とでも言ってくれればいいが
無能な人間は そういう状況判断もできない。
そうこうしているうちに 保育時間は まさかの追加1時間。
このせいで 娘の寝る時間は1時間遅れ 娘のストレスは1時間分増え
緊急保育料の1時間2500円が また 消えていく。
そうやって 失った わたしの時間、親子の時間、無駄な保育料が
会社員時代 いったい いくらあっただろう。
これが 奥さんのいる男性や おばあちゃんでもいれば のんびり構えてられるが
私にとっては まさに 時はカネなり。
上司の判断が 1分のびるたびに 私の頭の中でも
チャリン チャリンと 音がしていた。
余裕がなかったといえば そうかもしれない。
早く仕事を終わらせて 早く帰って 早く子供を風呂に入れて
早く寝かしつけて・・・・。
わたしの個人的事情で 必要以上に 早く判断することを
上司に 迫っていた部分はあったかもしれない。
でも もう 私には 耐えられなかった。
自分がどんなに 仕事を早く終わらせても
中年上司が
あ～でもない こ～でもないと
悶絶している様子を ただ 眺めているのは。
判断が間違っているのも困るが
判断すらできない、
2択の問題すら 答えを選べないのでは
もう どうしようもない。
一番悲惨なのは そんな上についていかざるをえない部下と
その家族。
きっと アメリカは日本のことを
私が 判断できない上司を見ていたような目で 見ているに違いない。
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