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NO1834 教科書採択問題(10)

デモの標的にされる中国大使館
デモの標的にされる中国大使館 26日(水)今号で一応締めくくりとしたい。沖縄八重山地区の教科書は結局、文科省がつくる会の圧力に屈して、竹富町に公費で町が決めた東京書籍の教科書を買取、使用を認める方向のようだ。つくる会はけしからんと騒ぐだろうが自分たちの従来の主張「採択権は市町村教委にある」とは矛盾することになる。

 政府も一貫性がない。中国や韓国から抗議を受けると、「教科書は民間会社が作成するので、政府は関与していない」などと真っ赤な嘘をついて切り抜ける。今回の問題にしても立派な介入ではないか。そもそも教科書検定など国家による検閲以外の何物でもない。

 何度も書くが、そんな国は社会主義国や韓国、マレーシア等特殊な国しかない。ドイツの例を元埼玉大学教授・暉峻淑子氏の報告によって紹介すれば、ドイツは中央文部省すらなく、各州文部省、中央に連絡会議があるだけである。教科書記述の原則は憲法に違反しないことだけである。

友好国ルーマニア大使館
友好国ルーマニア大使館 ベルリン市の場合。1科目15人の審査員で3年間の任期制。資格は教科書について高い研究業績があること。学校から推薦される先生は父母、生徒を入れた職員会議が推薦を決める。審査委員会は各州文部省から独立した機関として独自に審査を行う。原発同様、完全な第三者機関になっているのだ。

 1冊の教科書について15人の中から3人の専門的に適格と思われる委員が選ばれ、3人がそれぞれ審査し、3人がOKならば問題なし。意見が割れた場合は審査委員長が別の人に審査してもらう。重要なのは教師が教科書を使う、わないの自由があるということだ。

 私が参観したベルリンの中学校では教科書は貸与制(これが欧州の一般的仕組み)で、先生が教室に持ち込む。高校では先生がプリントを用意し、教科書は使わなかった。日本では教科書会社が大学教授や現場の教師を執筆者に依頼し、検定に提出し、調査官の検定を受ける。

線路わきにバイク、ごみなんでもあり
線路わきにバイク、ごみなんでもあり この調査官というのが極めて政治的な人物で、社会科の場合、東大の平泉澄(戦前の皇国史観論者)門下の流れをくむ人物が揃い、そのやり取りは今は公開されているが、一字一句学習指導要領に沿っているかをチェックし何度でも修正、書き直しを命ずる。

 だから、内容も表現も無味乾燥なものとなり、読んで面白くないものになる。文科省告示でしかない、学習指導要領自体、世界に例がなく、政治的なものである。つくる会の主張は、結局先の大戦を正義の戦争であると規定し、それに反する記述をすべて自虐的だと非難するのである。

 あの戦争を正義の戦争と捉える限り、反省がないということであり、被害を受けたアジア諸国から信頼されることはありえない。したがって、欧米に対するアジアの代弁者にもなれないし、外交交渉でも胸を張って自国の主張を展開することもできないことになる。

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