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今期の授業 - ディスカッションスキル-

今日はSocial Entrepreneurshipの授業で大恥をかいた。

ある論点について不意に意見を求められ、ほとんどろくな回答ができなかった。

その後、クラス終了までの残りの30分が本当につらかった。

一旦こうなってしまうと、小心者の僕は思考が停止してしまい一切英語が頭に浮かんでこなくなる。その後、全く挽回できなかった。

穴があったら入りたい。狂ったように叫んで逃げ出したい。
そのくらい恥ずかしさでいっぱいだった。

全ては自分の準備不足によるものだ。事前の資料は全部目を通して、ある程度理解はしていたが、自分の意見が全く構築できていなかった。

中途半端な準備は、ゼロに等しい。

非常に悔しい。



ここまで今日の失態を悔しく感じるのは、今期の自分の目標設定によるものが大きい。

今期は前期とは違う目標がある。

毎期、授業内容以外に個人的に目標を立てているのだが、前期は「プレゼンスキルの向上」で、これもまだまだ子供みたいなものだが、ある一定の成果は上げられたと思う。

そして今期の目標は「ディスカッションスキルの向上」である。


アジア人学生、特にほとんどの日本人学生は語学のハンデや文化的な違いということもありクラスで静かであり、あえて欧米人の中に混じってディスカッションに参加しようという人は少ない。

僕も恥ずかしながら前期までは御多分に漏れずそのような生徒の一人であった。

もちろん中には統計学や経済学のように、教授が一方的に話し続ける講義形式の授業で9割方の生徒は一言も発さず数ヶ月が過ぎるというものもあったが、その他の授業においても世界から集まってきている生徒達の中で平均以下、いやビリから10%の発言率だったと思う。

実際、ディスカッションに参加しなくても、レポートや試験でそれなりに取ればほとんどの授業において単位はもらえ卒業できると思う。

しかし、そんな形でMBAを取得して何になるのだろうか。


最近では大学院レベルの授業内容を本やitunes Uなどネットで簡単に手に入れることができるようになった。

では、わざわざ母国を離れて多大な機会費用を被りながらも米国で大学院の授業を受ける意味は何なのだろうか。

ただ黙って授業に参加してノートをとることと、ネットに公開されている授業を閲覧することの違いは何だろうか。

この夏の間、今までの大学院での一年間を振り返り、大いに反省したどり着いた結論が、「ディスカッションスキル」である。

一般には「コミュニケーションスキル」と言われることも多いが、僕は他の生徒と比較しても、総合的に同スキルが極端に劣るとは思っていない。

しかし同スキルに含まれる多数の項目のうち、1) 飲むゅにケーションと 2) ディスカッションスキル は他人と比較して非常に低く、改善しなければならない点である。

1) はこの10年色々と克服しようと努力してきたが、古い日本企業ならまだしも、それ以外の場合においてはあまり重視すべき点でもないと最近気づき始めてきた。

確かに重要なスキルであることは間違いないが、これはその他のスキルで十分カバーできる点である。実際、飲めなくても活躍しているビジネスマンはごろごしている。

何より、自分ではどうしようもないことを言い訳にして逃げ場を作りたくない。


そして、2)こそが米国の大学院にいるまさに今、克服すべき点である。

授業に出席しているという"ライブ感"こそが、コンピューターの前で受けるネット閲覧授業ではどうやっても得られない最大の利点であり、実際にその場にいる人とその瞬間に討論するというディスカッションスキルは授業中でしか身につかない。


コミュニケーション能力をもたないMBA取得者など人よりちょっとビジネス関連知識に詳しいというだけの人。そのために二年間を費やすのなど無駄の極みである。

特に僕みたいに暗記力が非常に悪い人間は、覚えた知識も数年ですぐに忘れていってしまう。知識ももちろん重要だが、それ以上にスキルも身に着けなければ。


ということで、早速、今期4つの授業のうち、3つの授業では初回からがんがん前に出て発言していっている。

発言すれば、評価されると同時に叩かれるようになるため、おかげで今日のような恥をかくことになる。

生徒が10人足らずの授業もあり、逃げ出すわけにもいかないので、ここは覚悟を決めて行くしかない。



最近他人に指摘されて気づいたのだが、僕は日本人同士でディスカッションをする場合(当然日本語で話せるので楽)、

二人から四人くらいの小規模グループ内だと大いに発言したりディスカッションをリードすることも多々あるのだが、

これが中・大規模のグループになると、いきなり静かになってしまう。というか質問されるまでほとんど話さない。
意味も無く非常に恥ずかしく感じる。

しかし、プレゼンのように大勢対一になると、今度は突然人が変わったように表情を変え大声で話し始める。

これがなぜだかは未だに分からない。


基本的には英語に関しても上記とほぼ同じことが言えるのだが、この三週間授業で自分を奮い立たせて頑張って発言してみて、

英語ならば中・大規模グループでの自分の問題点も十分克服できるということに気づき始めた。

多分、日本人の中で自然と感じてしまう恥とか遠慮といったものが一切ないのだろうか、がんがん前に出ても、「あ、今のKYかも」、とハッと気づいて振り返る自分がいない。

それは文化的な違いから来るのか、周りの生徒達の雰囲気によるものか、はたまた単純に英語が母国語でない分そんな余計なことに頭が回らないだけのか分からないが、

日本語の場合は今さら克服するのが難しくても、「英語ならば大丈夫だ」という自信がついた。ディスカッションの内容に自然に集中でき、それ以外の雑念が全く入らない。

もちろん、この「発言する自信がついた」はただのスタートポイントであり、言葉を話し始めた子供と同じ。ここから失敗を重ね、経験を積んで、本当のスキルを習得していかないといけない。

欧米人達は小さい頃からこうしたスキルを鍛えられているので、ほんの一年間程度僕がギャーギャー騒いでもとても間に合わない気もするが、今この時少しでも初めておかないと、一生このままで終わってしまう。


もっと具体的に何を目指すかということを書くとすると、

「毎回の授業において、
自分の発言を基点に新しいディスカッションが開始される 自分の発言でディスカッションの流れが生産的な方向に変わる 教授がフィニッシュする直前のまとめ発言ができる → それだけ意味のある発言・問題提起ができたということ」

を念頭においてがんばっていきたいと思う。
 
ビリ10%から這い上がるのは本当に大変なのだが、やらねばならない。

また、無駄な発言だらけでクラスを崩壊させてもしょうがないので、自己評価だけでなく客観的なフィードバックも当然必要である。よって12月の期末後に各教授に自分のクラス貢献度が何点であったかを聞く予定。

さらにはInternet Marketing and Global Business の授業では、期末試験前に「生産的な発言をした生徒TOP3」を全40人の生徒の無記名投票により決めることになっているので、このTOP3に選ばれることも目標としたい。


大風呂敷を広げたおかげで、三週間目でこんなに胃が痛くなっているのだが、このままあと3ヶ月間もつだろうか。

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ブログ紹介

八方ふさがり

http://blog.livedoor.jp/ike_chan_/

05年よりNew York在住。 現地銀行勤務を経て、09年よりMBA取得に向け大学院にて奮闘中。

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