サマーキャンプで3週間バンクーバーに滞在した大学生のAさんは、
帰国日にホームステイ先のファミリーと別れるときに
自分でも驚くほどに悲しくなって、声を上げて泣いてしまった。
そのファミリーは、母親がフィリピン人、父親が白人で、
10歳になるかわいい男の子がいる。
住んでいるところは集合住宅で、一見して裕福ではないことがわかる家だが、
きっととても親切なファミリーだったのだろう。
Aさんの話を聞いていて、
まるで逆の経験をしたBさんのことを思い出した。
Bさんが泊まったのは、バンクーバーの高級住宅地にある、
女性しか受け入れない白人夫婦の家だった。
庭がきれいに手入れされ、家具・調度品はすべて高級ばかり。
夫婦の印象は、洗練された親切なカップルだったが、
暮らして見ると、ちょっと部屋の整理を怠ると怒られたり、
キッチンを使った後をピカピカにしておかないと文句を言われたり、
表面的な会話があるだけで、一緒に何かをするような雰囲気は一切ないので、
近親感がほとんど沸かないままに家を出たのだった。
ホームステイというものは、実際に暮らしてみないとわからないものだ。
清潔でなければイヤな人もいるし、
多少清潔じゃなくても居心地のいい家が好きな人もいる。
ホームステイを成功させるために知っておきたいルールはあるが、
一番大切なのは、自分なりのホームステイのイメージを膨らませすぎないで、
初めて出会ったファミリーのハウスルールを尊重して、
柔軟に対応することなのかもしれない。
赤丸天
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。