東京インターハイスクール(TIHS)の渡辺です。
卒業生M氏が来校しました。卒後に日本の大学に進学してから就職、昨年結婚したばかりの26歳です。日本人の両親の間にアメリカで生まれ育ち、16歳のときに親の事情で突然帰国してTIHSに入学してきた男子です。日本語の会話は流暢でしたがアメリカに定住するつもりだったので読み書きは小学生低学年のレベルでした。彼が入学して「日本語をちゃんと学びたい」と要望したのを切っ掛けに、TIHSでは日本語クラスを外国語科目としてスタートしまた。その後M氏のような帰国生が増え、今では海外で活躍していた日本語教師が日本語クラスを教えています。たくさんの帰国生と外国人生徒たちが日本語を学んでいます。
M氏が訪ねてきた理由は、今後のキャリアを見据えた転職相談です。彼は大学でコンピューターグラフィックを学びゲーム系企業に就職しました。しかし「4年経験を積んだので、本来自分がやりたいアート系で勝負したい」との相談です。業界素人の私に相談してきてくれたことは大変うれしく学院長冥利です。彼は「自分の経験や技術、そして作品を評価してもらえないようだ」と悩んでいました。
私から「ゲーム系はプロジェクトの技術的な歯車(人材)を採用するのに比べて、アート系は主体的な人材を探しているんじゃないの?経験や技術も大事だけれど就職は自身のセールスだから、買い手が「買いたい!」と衝動するようなセールストークが必要だと思うよ」 そして「具体的には君が日本人としてアメリカで生まれで育ったユニークなバックグランドから始まって、日本、日本語、大学、仕事での苦楽を掘り下げて「なぜ今アート系で挑戦したいのか」をストーリーに仕上げて面接官に語ったら」と提案しました。「大事なのは自分の物語ですね」と、何かに気づいた様子で帰っていきました。東京インターハイスクールの生徒たちはみんな、自分の物語を持っている(創っている)ので将来が楽しみです。
以上