40代くらいから肉を食べる量が減って、40代後半にはそれが顕著になりました。
明らかに魚の方が好きになって、最近じゃサシの入った肉なんて本当に無理。
時折、会食なんかで相手の方が張り切って、松坂が食べれるお店なんかに連れていってくれたりするともう悲劇(笑)。
一方、魚は本当に好きですね。
最近、凝っているのは表参道にある和食屋さん。そこの焼き魚はもう劇的に美味しい。
あのレベルはちょっと普通じゃないと思います。
ま、それは極端な例として、日本ではスーパーでも色んな魚が売っているし、お刺身なんかもそこそこ美味しいのが売ってます。
でもロンドンじゃ無理。
スーパーならいいとこ、真空パックのサーモン、コッド、シーバス、終わり(笑)。
ましてや刺身なんてもう有り得ないわけです。
そうすると本当に魚が食べたくなる。
ロンドンで生の魚を売ってたのは、日本人が多い、ウエストアクトンにあった和食材屋さんとシティーセンターにあったジャパセンくらいかしら。マーブルアーチには有名な日本人女性がいるお魚やがあるらしいけど、行ったことなし。
で、結構多くの日本人から、「●●のお刺身は美味しいですよね、さすがあそこは鮨屋も経営しているから」という話を聞きましたが、正直、ま、食べれる程度のレベルでした。小田急ストアの方が全然美味い(笑)。
確かに時折街角にはフィッシュモンガー、つまり魚屋さんを見かけたりもするんだけど、一足踏み入れると、明らかに生臭いのです。これは結構、どこのお店も共通。
ある時、ロンドンではそこそこ有名な和食レストランのシェフと食事した時、その方が言ってました。
「ロンドンで一番苦労するのは魚なんですよ。なのでうちは一部日本から空輸しています」
でもイギリスは島国で、世界3大漁場からも遠くないのにということを聞いてみると、、、
「確かに島国で海産物には恵まれているのだけど、漁師さんの仕事がだめ。要は日本のように、水揚げのあと、きちんと仕事をしない。高級魚なら、すぐにしめて、血抜きするとか、冷やすけど、凍らせないとか。」
「なので中央市場に並んでいる時点でもうダメ。生臭いし、鮮度がひくいんですよ。」
ですって。
「一部の日本食材屋さんなんかは、直接漁師さんのところに行って、交渉して、処理の仕方を教えて、送ってもらうということをやってるようですよ。それもそこにたどり着くまで随分と時間を要したらしいです」
とおっしゃてた。
美味しくないから食べない、需要が増えないから状況は変わらない、、、、という循環のようです。
実際、あのホテル サヴォイでのディナーでシーバスを注文した時でも、やっぱり生臭さがぷんと臭っちゃうくらいです。
トップホテルのトップダイニングなんだから、そりゃ食材に関しては、最高レベルのもんだんだけど、それでもそうだからあとは、、、。
個人的な印象では、フランスも似ていると思います。パリのレストランで何度も魚を食べて、やっぱり生臭さを感じたことは多かった。冬にはシーフードプラッター(生の貝やら、エビやらの大皿盛り)をオーダーして、後悔することがままありました。
ドイツも同じでフランクフルトで何度か魚屋さんをのぞいたけど、やっぱり同じ。生臭い。
しかし、これが南の方に行くと、状況が変わるんですね。
イタリア、スペイン、ギリシャでは本当に美味しいシーフードを何度となく経験しました。
イタリアは皆さんも想像がつくと思います。南の方ね。スペインもイワシのグリルやエビなんか本当に美味しいです。個人的な圧巻はギリシャでした。仕事でのディナーでパートナーさんがすごくいい店に連れて行ってくれたから、そりゃ特別なのかもしれないけど、それはそれは素晴らしい魚料理の数々でした。
知人が常連らしく、私が料理をすごく褒めると、ウエイターに頼んで調理場まで連れて行ってくれたのです。で、いきなり冷蔵庫を開けて、シェフが魚を見せてくれた。
どの魚も見た目でわかるくらい新鮮で美しい。こりゃ料理したら美味いだろうなって言うレベルの魚たちでした。
一応は、イタリアもスペインもフランスもイギリスも海には面しているのだけど、どもうレベルが違うような気がしますね。
おそらく、フランスなんかも海沿いの小さな街だときっと美味しいのだろうけど。スコットランドの海沿いの街やベルギーの海側の小さな街では美味しい魚料理に出会いましたから。でも大都市になると、、、ダメ。
おそらく輸送技術とかも含めて、日本の魚事情は世界一でしょうね。スーパーですらあれだけのものが買えるのだから。
帰国したての頃は、スーパーに行くたびに、お刺身が買えて結構感激しておりました。それがどれくらい「有り難い」ことかわかったので。
今では普通になっちゃったけど。
慣れるって恐ろしいですね。なんでも当たり前だと思っちゃう。。。。
おわり。
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