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寛容

昨日は、夕刻から思いっきりバドミントンをやった後、帰宅。

そりゃ20代から30代前半の若者たちに混じって、ノックまでやってヘトヘトでした。

で、夜9時過ぎて軽く食事。

でもなんかそれなりのワインが飲みたくなって、ブルゴーニュの巨匠、エマニュエル・ルジェの最も安いクラスのパスグラを抜栓。

たまたま前日に抜栓していた新進気鋭のユドロ・バイエという昨今、ブルゴーニュ愛好家の間では話題の作り手の同じパスグラと比較という小さな楽しみの機会を得た。

色 明らかにルジェのパスグラの方が濃い。
香り バイエがチェリッシュで可愛い香りに対してルジェは重心の低い高級な香り。信じられないけど事実。
味 ルジェは酸味が最初で細かなタンニンの広がり、のちに果実味が来て、全体として凡百の村名を超える。一方のバイエは圧倒的に軽くってチェリッシュで高級感のかけらもない。

結果はルジェの圧勝。

巨匠と新人の対決は1−10の結果となった。

で、本日月曜日。

ご存知の通り、東京は大雪。

夜は予定があったのだけど、キャンセルして帰宅。

雪景色を見ながら、まずはアペリティフとして昨日飲み残したバイエのパスグラ、そう軽くって、薄くってチェリッシュなの。

ところが。。。。これ単体でのんでみると、軽さの中に伸びやかな果実味、透明感、そしてそこはかとない品があって好感が持てる。目立つような美人ではないけど、そっと寄り添ってくれて居心地の良い、品の良い女性みたいな。。。

昨日は全く気づかなかった美点。

ともすれば愛好家というものは、ワインは「偉大」であることを尺度の中心として、それを求め、それを基準として、そこから遠いものを評価しないことがしばしばありえる。

確かに、ミスユニバースを選ぶのは同じロジックかもしれない。

がしかし、家に帰って雪景色をめでつつ軽めの食事に寄り添ってもらうのがミスユニバースがベストなのか(笑)。

そう考えると、人はそれぞれ形成された個性というものがあって ー もちろん、能力という観点ではいろんな角度からのの絶対的評価というのはあるのだけど ー それとは別に、純粋な個性としては様々な味わいがあるという事実は否定しがたい。

翻ってワインにも絶対的評価という軸とは全く別に、「個性」という軸があり、ワイン会に持参して、愛好家から評価を得るワインもあれば、しみじみと家で楽しめる食事を邪魔しない、あるいは読書の伴侶になるような、圧倒的主役ではないけども、寄り添うようなワインの存在を軽視することはあってはならないと痛感した。

比較というのは個性を知る上で有効なのだけども、必ずしも優劣をつけることが全てではないというのもまた事実。

寛容。

そういう言葉を思い出した。

人生を楽しむには、人に対しても、ワインに対してもそれが必要なのかもしれない。

あー、明日は会社に行けるのだろうか。。。。

おわり。

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