銀座の天麩羅屋 大将と雑談。
よく週末のランチに伺う銀座の天婦羅屋さん茂竹。
大将はもう70才代でこの暖簾の3代目。
今日、突き出しの酢の物がとても美味しかったので、土佐酢の作り方というか配合を聞いたところ、すごいメモを見せてくださった。
それは、土佐酢、甘酢から始まって、天つゆ、丼タレ、茶碗蒸し等、あらゆる料理のレシピというか配合の比率を書いたメモ。
それもものすごーーく年季が入っている。
聞いたところ、暖簾を受け継いだ、30数年前に書いたものらしい。
今でもそのレシピの通りかと伺ったが、答えはノー。
微妙に毎年変わっていくらしい。
長期的な傾向としては徐々に薄味になってるとのこと。
先代と比較しても明らかにそうだと。
曰く、京料理はそもそも貴族のように体使わない人が好んだ味であって、よってもって薄味だったのではないかと。そういう文化が根底となっているのではと。
一方、江戸の寿司やうなぎや天麩羅はそもそも庶民の味。どちらかというと強い味で、ガッツリ系だと。
でもこの何十年かでどんどん肉体労働が無くなって知的労働になってきてるので東京の味が薄味方向に変化しているのではないかとご推察。
すごい洞察だと思った。
身体を使って汗かいて、クタクタになって食べるものと、日がな動かず、頭と心だけを動かして、いただく食事とは異なると。
そうなると畢竟は食べるものも上品になるのかと。
料理人は時代を見ている。
時代の動きを見ている。
でないと、オブサリートな料理になってしまう。
良い休日のランチだった。
ごちそうさまでした。
おわり。
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