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ピノ・ノワールという魔物

ワイン好きな方はご存知かもしれませんが、ピノ・ノワールっていうのはブドウ品種でして、それもブルゴーニュというフランスの一つの地方に特有の品種です。

ボルドーでよく栽培されているカベルネやメルローと何が違うかというと、要はエレガントなのです。

まず色素が薄い。若いボルドー系は紫や赤に少しの黒を混ぜたような色をしていることが多いですね。香りも味もインキーだと私は感じます。しかも割と高級なもの、薄いペラペラじゃない、しっかり作ったもの。個人的には、なんか鉛筆の芯っぽいものを感じてしまうので、どうも、、、です。

南のローヌあたりの品種であるシラーやイタリアのキャンティで有名なサンジョベーゼなんかは時折飲んで、たまにはいいなと思うこともしばしば。

これは完全に個人の好み。

でも、割と一貫して感じることは、日本のワインラバーはブルゴーニュにいかれてる人が本当に多い。

幸運なことに、稀にブルゴーニュで良い作り手の良いボトルに当たると、、、、もう魂持っていかれます。

とくに5ー10年くらい経過して、いわゆる本当にセクシーなブルゴーニュのしかもニュイの香りをまとうようになったもの。

おそらく大多数の方はわからないかも(汗)、、すみません。こんなブログで。

ブルゴーニュの本当に良いものに当たると、ブルゴーニュ=エレガンスであるってことがよく分かります。

もうボルドーには戻れない。

で、様々本を読んで、ブルゴーニュの各地域、村、作り手の特徴を勉強したり調べるようになる。

ところがどっこい、ボルドーみたいにはいきません。

まず、ブルゴーニュって本当に小さな規模の作り手が多い。ボルドーのように近代的設備で圧倒的な生産力を持っている地域とはわけが違う。ボルドーが近代的生産であのに対して、ブルゴーニュは農業なのです。

なので、本で読んで、この作り手のこの村名とか言っても売っていないことがままるのです。生産量が少なすぎる。

で、しょうがないから地域名と特徴を覚えることになるのですが、ところがどっこいブルゴーニュは農業なので、作り手がものをいう。

しょうもない造り手の特級より、腕っこきの作り手の1級や村名の方が全然美味しいとか普通にある。

こういうことが頻発します。

で、最初は地図を見たりしいた初心者は、そうだと気づいて急ぎ優れた作り手のワインを試して見ようと考える。

ところが、本当に著名な作り手のブルゴーニュはものすごく高い。もう圧倒的に高価。ちょっとやそこらじゃ手が出ない。

ということで、「モト〇〇で栽培を担当していた」とか「モト〇〇で醸造を担当していた」とかいう枕詞のつく作り手のワインをショップやインポーターの宣伝文句に踊らされて買うようになる。

で、何度も騙される。

もうメルマガ勉強時代みたいなイメージです。

ところがいくら買っても素晴らしいものに出会わない。

で、経験値がだんだん高まって、どのショップなら騙されないか。どの作り手なら結構いけるかという知識がついてくる。

で、「俺もいよいよちょっとわかってきたか」と思う頃にはまたいくつもの罠が待ってる。

例えば、素晴らしかったと感じた作り手の別のヴィンテージをお小遣い叩いて買ったらカスだった、、、、
結構安いと思ったら、並行輸入で熱が入っていて1万円もしたのに痛んでたとか、、、。

こういうの普通に百貨店でも売ってますからどうしようもない。

畢竟は、作り手とヴィンテージとインポーターと買うべきお店ということだとわかってくる。特に作り手。

それでもかつ、つくづく感じること、ブルゴーニュラバーにとって最も大切なこと、それは「運」だと。

究極は、同じ作り手の同じヴィンテージの同じ銘柄でもボトル差があるからです。

いくつもの変数を掛け合わせた結果、感動レベルのものにである確率、それは、、、、、人生で一生忘れない恋愛に出会うのと同じくらい難しいかもです。

でも、それを経験してしまうと、もうピノ・ノワールの虜になってしまうのです。

ブルゴーニュ、それは魔物です。

お気をつけあそばせ。

おわり。

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