NO1726　原発の利権構造を見た

新発田市桜公園の紫陽花1
　9日（土）猛烈に暑い。今日の東北電力の使用量は94％まで跳ね上がった。土曜日なのに変だ。彼らの出すデータはいよいよ信用ならなくなった。九電のやらせメールは内部告発で、子会社の社員が正義感から会社の行為を許せないと共産党に持ち込んだものだった。

　2日付けの「しんぶん赤旗」で報じられていたらしい。もっと早く国会で問題になっていれば、管首相のストレステスト指示の前に玄海原発の再稼働は吹っ飛んだだろうに、一般マスコミは一体何をしていたのだ。玄海町町長が英雄気取りでマスコミに突出している。

　調べてみればやはり利権がらみであったことがはっきりする。佐賀県玄海町の岸本英雄氏。95年佐賀県議に当選するまで地元大手建設会社岸本組の専務取締役。現在の社長は実弟。氏自身も社長に次ぐ2位の大株主。岸本組は九電関連の最大の受注業者だった。

新発田市桜公園紫陽花2
　岸本組と玄海原発との関係は73年の1号機着工直後から参入が始まった。76年には原発内に事務所まで設置し関連工事を次々と受注。国は原発立地自治体に電源3法などで、巨額の交付金や補助金を与え、電力会社はその金を「寄付」の名目で住民に恩を売る。　

　我々新潟県民も柏崎・刈羽原発や中止に追い込んだ巻原発の計画段階で嫌というほどそのどす黒い闇を見せつけられてきた。住民の歓心を買うために、学校、体育館、町民会館などあらゆる公共工事に寄付をする。住民はそれを電力会社からの恩恵だと思わされる。

　だから、この町長は電力の安定供給など高尚なことを言い立てているが、実は原発が止まった時の交付金、自分の会社の将来しか念頭にない・・というのが本音だろうに。マスコミはそんな疑問すら提示しない。世論の動向を見ながら知事とともに立ちまわっている。

　河野太郎氏のいう「利権構造」とはこのこと。今朝もNHKの番組で御用学者は自然エネルギーがいかに電気料金を引き上げるかということだけを言い立てた。しかし、彼でさえ、枕詞に「自然エネルギーを増やすことはいいことだが」と言わざるを得なくなっている。

　電気料金の値上げについては、今日の番組で飯田哲也氏はここ5年間で化石燃料の値上げで500円以上上がっていると言い、河野氏も「再エネ法によるコスト増を議論するなら、リーマン以降のコスト増も議論されるべきだがそうなっていない」と指摘している。

　さらに「電気料金が高いそもそもの原因は、今の電力供給体制にある。新たな発電業者が参入してくれば、市場原理が働くようになる。技術革新によって供給コストが減り、むしろ料金は下がっていくと思われる」このことについて、今朝の御用学者は一切語らない。　