角田山の花1
1日(金)晴。今年は中学校の教科書採択の年である。今日は午前中市の教科書センターに出向き、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが出した歴史と公民の教科書を中心に読んで、意見書を提出してきた。どうせ何の役にも立たないことを承知の上で。
「つくる会」は96年に初代会長西尾幹二、副会長藤岡信勝で立ち上げた団体で、戦後の教科書が自虐的だとし、自由主義史観の名のもとに新しい教科書を執筆し、政治的圧力をもって各市町村自治体に採択をせまるという政治運動である。当初は非常な勢いだった。
漫画家小林よしのりや高森明勅氏などの著名人を揃え、各地で講演会や採択運動を繰り広げ、賛同人に本人の承諾もなく名前を上げられたソフトバンクの王貞治氏もいた。会のバックには産経新聞を中心にフジサンケイグループがあったことは言うまでもない。
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彼らの教科書が採択率1%未満だったこともあって、内紛を繰り返し、四分五裂の状態で今は藤岡を会長として存続しているようだ。教科書も2社に分かれ、自由社と育鵬社(フジテレビがこの教科書発行のために3億円を出資設立)がそれぞれ、歴史と公民を出している。
読み比べると、自由社の方がより先鋭的だ。育鵬社の「太平洋戦争(大東亜戦争)」に対し、自由社は「大東亜戦争(太平洋戦争)」のタイトルばかりではなく、「上海で2人の日本人将兵が殺される事件が起こり・・」と全ての日本軍の行動を中国側のせいにする。
本文以外にもコラムや特集欄で「アジアの人々を奮い立たせた日本の行動」とか「日本を解放軍として迎えたインドネシアの人々」を取り上げ、日本の侵略の事実をいかに薄めるかに腐心する。まして、朝ドラ「おひさま」に描かれる国民生活や教育への反省はまるでない。
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昨日、このブログの読者から、「つくる会」初代会長の西尾幹二氏のブログを紹介された。氏が「脱原発こそ国家永続の道」だと。氏は原発直後から考えを変えたと言い、保守系の言論界の歯切れの悪さを批判し始めた。自分が依拠してきたフジサンケイから抜ける勢いで産経の社説まで批判している。
「いろいろな「悪」がこれから白日の下に曝されるようになるだろう。お金を積んで説得した地域対策費、すでに巨額にのぼり今後さらにどれくらいの額になるかも分らない廃棄物処理コスト、政治家やマスコミにばらまかれたこれまでの反論封じ込め費――これらが次々と暴かれるであろう。また暴かれる必要がある」とまで書き、原子力安全委員会の斑目委員長に対しては、彼の廃棄物の最終処理場を引き受けてくれる自治体があるのかについて、「お金ですよ。最後はお金ですよ。駄目と言われたら2倍にすればいいし、それでもだめなら5倍にすれば駄目と言う人はいない」の発言を『卑劣』とまで非難した。昨日の敵は味方だ。
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