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時代と人材

私ごとではありますが、

学生時代に日米比較文化を学びました。
その中で、私が選んだ題材は教育比較でした。
アメリカ人の意見主張力、実践力、人と違うことをやりたい力、そういった部分を当時の日本人に照らし合わせて見たところ、学生の私には、どうも日本人は右向け右、組織の中でぬくぬくといった風に見えました。
そこで、そもそも教育方法が異なるのでは?という点に着目したわけです。


アメリカのクラスルームでは、高校生レベルでもディスカッション形式の授業が多かったのです。
一方、日本の教室内では、詰め込み式の座学が主流でした。
それは、ほとんど全てが「受験戦争に勝ちぬくため」に思えたのです。


当時、まだバブル崩壊するかしないかの時でしたが、景気が良かった国内は専ら学歴至上主義でした。
会社組織は高学歴な人材を求め、より大きな企業に入社するためには受験戦争に勝ちぬき優秀な大学に入る。
入学した後は、受験戦争で抑圧されてきた学生の心が解き放たれ、学業はほどほどに、サークル活動に専念する、そんな風潮がありました。
とりあえず出席さえしていれば、大抵の学生はスルスルと大学を卒業し、思い描いていた会社へ入社。


景気が良かった頃は、それでもなんとなく社会全体が成り立っていましたが、その後はどうでしょう?
景気は悪くなる一方、それでも受験戦争はさらに過熱しました。
受験する世代が第二次ベビーブーマーという人口の多い世代でもありましたから、優良企業に入社することもさぞかし大変なことだったのではないでしょうか。


近年は、その様子も変わってきたのではないかと感じます。
世界を舞台に活躍する場面も増え、その中で日本人の「右向け右」精神では太刀打ちできない現状があります。
自分の意見をしっかり持ち、発言できる日本人。
全てに平均点ではなく、一芸に秀でたものを持つ日本人。
日本も日本の教育も変わりつつあります。
大学にはAO入試ができ、大学の授業内容も、卒業後受け入れる企業の姿勢も、切磋琢磨しながら変化してきたようです。
毎年弊校に入学してくる生徒を見ても、問題解決能力を持つ生徒、一芸に秀でた生徒が多くなってきました。
中学生、或いは高校生の多感な時期に、自分で考え行動するということは、その後の人間成長に大きな違いをもたらします。


この年代の子供たちが、その可能性を最大限に引き出せるよう、私たち大人が頑張らないと!と思う今日この頃です。




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