久しぶりの更新。4月になったので、気分新たに。 昨日は、お茶教室のツアーで、日帰りで蘇州郊外の洞庭山東山へ。上海からバスで片道1時間半ほど。太湖という大きな湖に突き出ている半島。 ここは、碧螺春(ピロチュン)という西湖龍井と並ぶ中国二大緑茶の一つの産地。このお茶は低地にあることもあって他の緑茶より少し早めに収穫。 今年は寒い日が続いていたので、お茶の栽培も例年より若干遅れ気味だったのだけれど、ここ数日暖かかったので、ちょうど一番美味しいお茶が摘める時期に行くことができた。 碧螺春は、普通のお茶とちょっと違っていて、茶樹と果樹(ビワ・梅・柿・ミカン・銀杏・ザクロなど)と交互に植えて栽培されているのが特徴で、果樹に隠れることで、日光の量を調整したり、霜や雪から守られるメリットが。 1芯(芽)1葉から2葉を摘む。茶葉はたくさん生えていても、美味しく飲めるのはほんの一部分。 こんな立派な建物のお茶工場を見学。お茶摘みシーズンである3月末から4月下旬、1ヶ月弱しか使われない。 入ってびっくり。ずらーっと手作業をしている人たちが。 摘んだ茶葉から茎やいらない葉を取り除き、美味しく飲める1芯1葉だけを目で見て仕分ける。かなり細かい作業。ちなみに、1日3時間ほどの労働で、住み込み代は別として、手元に残るのは日給20元(250円)ほどだそう。 分けられた葉は、熱くて大きい釜で炒める。後ろでは薪をこれまた手作業で温度調節しながら炊いている。 1回につき30分ほど、ひたすらひたすら手で捏ねる。鍋に茶が触れる部分の温度は85度くらいだそう。最初は軍手しているけれど、後半は素手でないと形作れないようで、信じられない熱さの中、器用に動かし続ける、本当に職人の技。 これは、水分を飛ばして熱で酸化酵素の活性化を止める「殺青」という工程。お茶の授業で習ってはいたけれど、実際に目にしてやっとどういうことなのか分かった気がする。終わったあと真っ赤な顔で汗をぬぐう女の子が印象的。 これを乾燥させると茶葉に。 この独特のクルリとした巻形は、あんな手作業の工程を経てできるものだっただなんて。 見学のあと、茶館で飲んだお茶は、焙煎に加えて少し花のような香りがして、1杯目はかなり淡白。上からお湯を注ぐと茶葉が揺れて、2杯目の方が味が染みでてより美味に。現地の人は、基本的にこうやってグラスに入れて飲む。 これだけ手間をかけて作るお茶は、この一番いいシーズンのもので、1斤(500g)で3000元(40000円)くらいが相場のよう。かなりの高級茶。25gだけ(笑)お土産に購入。 お茶の見学以外にも、「陸巷古村」 という1000年以上前からから存在する水郷の村を散策したり、 東山彫花楼という当時の富豪の家や荘園式庭園を見学したり。 天気のいい1日、上海の喧噪から離れて、ちょっとした遠足。中国茶への興味も新たに。
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