25日(金)雨。皇室典範のおかしさは、小泉内閣が提起した皇室典範改正で露呈した。つまり、皇太子夫妻に男子が生まれないことから、このまま推移すれば皇太子の後の皇位が秋篠宮にならざるを得ない。女系天皇を可能にすべく、典範を改正しようというものだ。
皇室典範を憲法の諸原則に適合するように、改正する絶好の機会と思われたが、案の定、「皇統に属する男系の男子」にこだわる右翼を中心に反対運動が起こった。なかには戦後廃止された11の旧宮家の復活まで言い出す始末。私の感覚では到底理解できない動きだ。
積極的な天皇制支持者はもちろん、天皇制を出来るだけ長く存続させたいと思うならば、先の号で見たように、国王(君主)の有り方を可能な限り一般国民の権利義務の関係に揃えることが国民の支持を得る所以ではないか。欧州の国王はそのようにして存続してきた。
宮家の復活で再び巨額の税金で養うことが国民の支持を得られるのか。第一旧宮家と言ってもほとんど男系は絶えており、わずかに伏見宮家だけだとも言われている。そもそも皇族に男系が極端に少ないのは、近親結婚を繰り返してきた優生学的な理由ともいう。
むしろ皇族ではない側室の血が入ってきたことによって、かろうじて皇統が保たれてきたと言った方が事実に近いのだから。旧皇室典範39条には「皇族の婚家は同族又は勅旨により特に認許せられたる華族に限る」今は当然削除されたが、近親婚の勧めのようだ。
女系天皇反対論者の中には「愛子さまは当然民間の男性と結ばれるだろうから、そうなれば生まれてくる男子であっても天皇にふさわしくない」とまで言い切る人物もいたのだ。さらに歴代10代8人の女性天皇がいた事実に対しても、あれは中継ぎで正統ではないと。
33代(これも架空の天皇・神武から数えてのことだが)推古天皇をはじめ、持統、元明等英明をうたわれた天皇もいるし、江戸時代の明正天皇(江戸初期14年間)、最後の後桜町天皇(吉宗の時代44年間)もいる。44年も在位して中継ぎなどといえるのかと言いたい。
日本の歴史では卑弥呼以来、女性天皇の方が政治的に安定すると言われてきた。今更女系反対を叫ぶ連中は単なる男尊女卑の思想に依拠しているとしか思えない。さらに言えば、憲法第14条に定められた法の下の平等の中の門地(家柄)による差別観が背景にある。
現皇后の美智子妃、皇太子妃雅子さんへの忌まわしいいじめはお二人の妃選びの段階から半ば公然と行われていたのである。皇室典範から「同族又は華族」の文言が削除されたにもかかわらず、常盤会(学習院出身の女性群)が二人の排除を画策した。
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