高校で苦手だった科目は化学と物理でした。色盲検査の影響もあって、自分は科学者や医者にはなれないと言われ、それをすっかり思い込んでしまい将来の仕事を自分で狭めてしまいました。将来は科学者などになれないと思い込んでいたので、化学と物理を勉強する意欲は湧きませんでした。幸い私の周りの生徒は勉強できる者が多く、随分刺激されました。ほとんどの者が国立大学の理科系を志望していました。私は数学と英語が得意で、現代文や漢文、地理、日本史も好きな科目でした。当時の国立大学の受験科目は8科目です。このように科目が多いと、どの科目もまんべんなく点数をとる必要がありました。受験科目のうち理科の2教科を受験会場で選びます。もちろん苦手の化学と物理を捨てて、生物と地学を試験科目に選びました。これが結果として功を奏しました。数学や地学の問題では、勉強していた過去問がそのまま出る有様です。同じ問題が出るような入学試験では、合格するのはほぼ間違いないのです。こうして昭和36年に北海道大学に入ります。赤緑色盲という逆境によって、新しい道が拓けたといえるのが今の私です。 続きを読む