人の潜在的な能力というものは測りしれません。自分はこの程度だとか、あの人はすごいなどといいますが、その場合は人の一断面を指摘しているだけです。本当の能力を正確に言い表しているとはいえません。能力に似た用語として、素質、天分、個性、資質、器量、度量、スキルなどがあります。それぞれ、人のある特徴をとらえてはいますが、なにか足りないような気がします。それはなにかというのが今回のテーマです。能力といいますと、得てして成人の大人の仕事の熟練度などで使うことが多く、子どもや高齢者にはあまり使われないのではないようです。その理由は、能力がスキルということに置き換わるからです。スキルとは物事を行うための能力とされます。技術的な能力とか技能ということで使われるようです。今では、技術的な能力だけではなく、さらに進んで仕事を潤滑に進めるために必要な交渉力や、技術を証明する資格という意味でも使われます。外交スキル、コミュニケーションスキル、運動スキルとなりますと、子どもや高齢者の出る幕は薄くなります。ですが乳幼児や障害者を対象としたような文脈では、動作性スキルとか身辺自立スキルなどが使われます。これらも立派なスキルです。「内にある恵みの賜物」とは、以上のような具体的な能力やスキルではなく、それらの源となるそれぞれに付与されている天賦のものです。天分がぴったりです。それを周りが育て慈しみ、伸ばすことによって能力となるのです。賜物とは万人に備わる特別な贈り物とか恩寵のことです。冒頭で申し上げた潜在的な能力のことです。みんながそれぞれの賜物を持っています。それを発展させることが育児であり教育であります。 続きを読む